3人娘の“チーム力”はいかほどか。ソチ五輪の注目競技といえば、やはりフィギュアスケートだ。なかでも女子の浅田真央(23=中京大)、鈴木明子(28=邦和スポーツランド)、村上佳菜子(19=中京大)は全員にメダル獲得の期待がかかる。さぞお互いをライバル視し、ピリピリした関係かと思いきや…。
ソチ五輪から団体戦が行われるが、フィギュアスケートはもともと個人競技の“極み”だ。五輪金メダリストの荒川静香さん(32)が現役時代、村主章枝(33)とライバル関係にあり、口も利かないほどだったことは有名。自己主張が強い面々ばかりかと思いきや、ソチ五輪の女子代表3人は少々違った。
3選手をよく知る日本スケート連盟関係者が打ち明ける。「この3人は、性格がいいうえに表面だけでなく、本当に仲がいい。五輪出場枠がかかった昨年の世界選手権では、3人のチームワークもあったから3枠獲得につながった。結束力を考えれば、いいメンバー構成」
大会期間中のわずかの時間を除けば和気あいあいで、互いに励ましあう姿があるという。ソチ五輪代表に3選手が決定したあと「この3人で五輪に行きたいと思っていた」と鈴木が話したのも、決して“社交辞令”ではなかったのだ。年齢的に28歳の鈴木、23歳の真央、19歳の村上とそれぞれほどよく離れており、荒川さんと村主のように激しく意識し合う必要もない。
実際、昨年の世界選手権で12位と振るわず責任を感じていた鈴木に、「あっこちゃん」と呼び慕う真央、村上が激励の色紙を贈り励ました。また、「落ち着いたら3人で旅行でもしたい」と話し合うなど、性格的に馬が合うようだ。
五輪では選手村での生活や日本選手団としての行動もあって、より選手同士の距離が近くなる。団体戦はもちろん、個人戦も“3姉妹”の仲の良さで乗り切り好成績につなげたいところだ。