プロフィギュアスケーターの太田由希奈さん（２７）は、選手の演技から国や選手の特徴も感じてほしいと言う。「例えば、練習環境が表れています」。日本選手は比較的、技が丁寧でまとまっている。「日本はスケートリンクが少なく、選手は混雑したリンクで育つ。スピードを出す練習がしにくいため、コンパクトな演技になるのです」。一方で、大勢の中での練習により集中力が養われる強みもある。

　お国柄の違いも出る。ジャンプなら、日本は基本が正確にできることを目指す傾向だが、ロシアでは多少は空中姿勢が乱れても思い切って跳ぶ指導が多いと言う。「選手仲間と『日本選手は省エネの日本車、欧米の選手は豪勢で速い外車』と話したことも」

　主要大会では各選手の採点の詳細が国際スケート連盟や日本スケート連盟のホームページで公開される。過去の大会の採点を見て演技内容が予測でき、観戦後には各選手への評価がわかる。

　大会のチケット入手は大変だが、アイスショーなどは比較的購入しやすい。太田さんは「会場ならスピードやリンクの雰囲気もよくわかる。ぜひリンクへ来てください」と勧めてくれた。【石井朗生】