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韓流ブーム終了でK-POPが悲鳴…アジア人気が高くても日本に依存するワケ
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K-POPの日本国内での著作権収入が激減したとのニュースが話題になっている。著作権収入とは、テレビ、ラジオ、コンサートで韓国の音楽が使われる時に発生する使用料のこと。日本音楽著作権協会(JASRAC)を通じて韓国側に支払われるが、この一年で40%も減ってしまったというのだ。
現地新聞の朝鮮日報によると、韓流ブームに乗って日本での著作権収入は2010年に35億ウォン(約3億4千万円)、2011年に94億ウォン(約9億円)、 2012年に110億ウォン(約10億5千万円)と急速な伸びを見せていた。ところが、昨年からブームが一気に収束し、昨年度は67億586万ウォン(約6億2000万円)と40%も減少。今年度はさらに落ち込むことが予測されている。この原因について同紙は「日韓関係の悪化」「安倍政権の発足による日本社会の急速な右傾化」と分析した。
実際、最近はあれほど騒がれていた「K-POP」の文字を全く見なくなった。地上波に韓流アーティストが出演することも非常に稀になり、竹島問題などを境にブームは完全に過ぎ去ったかのように思える。
「かつてのように『韓流なら何でも売れた』という時代は過ぎ去りました。もう視聴率も取れないことが分かって、メディアも韓流押しをやめている。そのブーム失速の原因は、単純に同じようなグループばかりで消費者に飽きられたから。日韓関係の悪化はきっかけにしか過ぎません。2〜3年でブームが収束するのはK-POPに限った事ではありませんしね。ですが、東方神起が昨年開催した神奈川・日産スタジアムでの2DAYS公演で計14万人を動員し、“野獣系アイドル”こと2PMが今年発売した新アルバムでオリコンチャート1位を獲得するなど、人気グループに関しては衰えるどころかセールスが増加傾向。ブーム終了による淘汰で“本物”だけが残ったといえるでしょう」(音楽ライター)
日本ではブームが終わってしまったK-POPだが、アジア圏では人気が上昇傾向にあるとされている。先日、日本の大手新聞がAKB48と韓国の人気ガールズグループ・少女時代のアジア人気を比較したとして日韓両国で話題になった。韓国・日本・フィリピン・インドネシア・ミャンマー・マレーシア・カンボジア・タイなど各国で調査したというが、その結果は日本以外ではAKBよりも少女時代が圧倒的に支持されているというものだった。
であれば、K-POP市場が縮小している日本よりもアジア各国への売り込みに力を入れた方が得策のように思える。しかし、そうはいかない事情もあるようだ。
「実際、K-POPのアジア人気は高い。AKBより人気があるというのも事実でしょう。国内アイドルがパッとしないタイや台湾では、少女時代が絶大な支持を集めている。しかし、アジア各国の音楽市場の規模は日本に比べて非常に小さいのです。例えば、タイの音楽市場規模は123億バーツ(約388億円)ほどですが、日本の2012年度の市場規模は約4250億円。日本は音楽不況といわれていますが、この数字はアメリカを抜いて世界トップです。韓国も市場規模は120億円ほどですから、日本の規模はズバ抜けて高いのです。アジア圏は不正ダウンロードや海賊盤が横行していることもあり、今後も市場規模の拡大はあまり見込めない。いくらアジアで人気といっても、韓国の“音楽輸出”は日本を抜きに考えられないのが実情です」(前同)
K-POPにとって、日本市場は海外収入の70〜80%を占めるほど依存度が高い。昨年、東方神起や少女時代らが所属する大手芸能プロ「SMエンターテインメント」の営業利益が前年比で約7割もダウンするという事態が起きたが、これも日本での売上減少が大きく響いた結果だ。日本に頼り切る構図に危機感を抱いたのか、国家主導で韓国アーティストの欧米進出も進められている。だが、少女時代が昨年に欧米の人気ミュージシャンを押しのけて「YouTube音楽賞」を受賞するなどしたものの、あまりパッとせず成功しているとは言い難い。
結局は日本から離れられない運命にあるK-POP。だが“嫌韓ムード”すら広がっている日本で再び稼ぐためには、かなり知恵を絞らなければならなさそうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)
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