ヒッポカムポス機能不全およびBDNF発達障害。
通称、自殺病。
簡単に言ってしまえば自殺する可能性が高くなる病気。
壁川学園は、この病を発症もしくは発病前の学園生達を集めた、全寮制の学園。
学園生達は夏休みの間、実家に帰ることが許されているのだけれど……。
新型咽頭結膜熱に感染してしまった当麻進は、病気から回復後も体内にウイルスが残っている可能性がある、という理由で2週間の外出禁止を命じられてしまう。
当麻進と同じ理由で学園に残ることになったのは、
同室で人妻好きの三田舜。
スコップを振り回す狭霧紫穂。
生物部長の水名りね。
会長の鹿島ユウリ。
それと、
遊びに来ていて感染の疑いありと判断された妹の当麻姫佳。
合計6人。
女の子4人には、普通の学園生より成長が遅い、という特徴があって……。
2週間の外出禁止期間を学園内でそれなりに楽しく過ごしていた6人だが、ある日の夜、停電が発生。
停電の理由を探している中で、学園から教師も寮監も保健の先生もカウンセラーも、6人以外の全員が消えていることに気付く。
しかも、電気だけじゃなくて、ガスも水道も停止。
6人は壁川学園の隣にある、壁川町へ出かけるが、そこで見たものは、誰もいない廃墟と化した街だった。
いったいここで何がおこっているんだろう?
どうしてこんな場所に自分達は取り残されたんだろう?
調べていく中で少しづつわかっていく世界の秘密。
自殺病の本当の意味。
重力の異常。
狂っていく時間。
幼いことの本当の意味。
夏休みの学園で見つけた、世界の終わり。
少しも嘘なんかじゃない、本当の世界の終わり。
そして、世界の終わりを許さない、
少年と少女達の物語。