ブルペンでピッチングをする巨人の杉内=那覇市の奥武山総合運動場で(武藤健一撮影)
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腰の違和感のため、投球練習を回避していた巨人・杉内俊哉投手(33)が17日、那覇キャンプで初めてブルペン入り。49球を投げ込んだ。ノースローが続いていた時には開幕への調整が遅れることが心配されていたが、投球を再開させたことで実戦登板へのメドがたち不安は一掃。チームにとっては何よりの朗報といえそうだ。
弱々しい姿はどこにもなかった。久保とともにブルペン入りした杉内は入念に肩を温めると、力強く左腕を振り続けた。投球はブランクを感じさせず、外角への最後の直球を捕った小田嶋ブルペン捕手が「いいボールだ!!」と大きな声をあげたほど。杉内も確かな手応えを感じていた。
「久しぶりにしてはしっかりと投げられた」。ブルペンに入ること自体が投球練習を回避した13日以来ということもあり、全力での投球は最後の10球くらいにとどめたという。しかし、ブルペンで投げられたことが何よりの前進だ。「悪くはないと思うよ!! あれだけ投げられれば」。杉内の声には安堵(あんど)の思いがこもっていた。
無理もない。今後への光明が差したからだ。腰の違和感を感じた時は治る時期さえ分からなかった。体を動かしていても強い張りが再発するのではという不安が頭をよぎっていた。しかし、投球再開で懸念は解消。川口投手総合コーチに「感触はいいです」と報告した杉内は心の内を明かす。
「1週間で治ってよかった」。この思いは首脳陣も同じ。原監督が「彼もレールにまた乗っかったみたいだね」と胸をなで下ろせば、川口コーチも「僕の中では少しの遅れは想定内。杉内は自分のペースでやっているから、調子は上がってくるでしょ」と分析する。
次のハードルは実戦登板。しかし、杉内は泰然自若の表情だ。「ブルペンに入れたことで実戦も逆算できる」。ここまでの遅れを取り戻すため、2日連続のブルペン入りにも意欲を見せた左腕。その顔に憂いは一つもなかった。 (川越亮太)
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