《給与は一月あたり60万円以上の見込みになります。もしこの職にご興味がありましたら、至急弊社にご連絡ください》
こんな“求人メール”が届いたら要注意だ。週に数時間働くだけで多額の報酬が得られるなどとうたっているが、「マネーミュール」への勧誘メールの可能性があるからだ。マネーミュールとは、簡単に言えば「犯罪収益金の運び屋」のこと。儲け話とか、割のいいアルバイトなどと勘違いして登録、仕事を請け負えば、知らないうちに海外送金サービスを使ったマネーロンダリング(資金洗浄)に加担させられることもある。オレオレ詐欺には強いが、還付金詐欺など「儲かりそう」と錯覚させられる話には弱いとされる関西人は特に注意が必要かもしれず、専門家は「そんなにおいしい仕事はない。犯罪の片棒を担ぐことのないよう十分注意すべきだ」と警鐘を鳴らす。
《私の名前はマーチンと申します。この文書は、今後あなたとの雇用関係についてお話ししたいと思いご連絡しております》
昨年8月、セキュリティーソフト開発会社「カスペルスキー」の日本法人(東京都千代田区)の研究機関にこんなメールが届いた。
《あなたの住所は、電子的に人材紹介会社より受け取りました。現在弊社では、職務時間を柔軟に対応可能または正社員としての職に空きがあります》
「電子的に人材紹介会社」など、英語を日本語に機械翻訳したような不自然な表現が目立つ。カスペルスキーの担当者は「日本語の表現に違和感を覚えた。日本語ができる外国人が(メールを)出しているのだろう」と話す。
マネーミュールは犯罪グループが捜査当局の目をかいくぐるために編み出したマネーロンダリングの手法で、「運び屋」だ。
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