大雪:「50年に1度」の積雪もOKだが…屋根崩落

毎日新聞 2014年02月17日 23時05分(最終更新 02月18日 06時35分)

屋根が崩落した埼玉県富士見市の市民総合体育館=埼玉県富士見市で2014年2月15日午後5時39分、本社ヘリから
屋根が崩落した埼玉県富士見市の市民総合体育館=埼玉県富士見市で2014年2月15日午後5時39分、本社ヘリから

 14日からの記録的大雪により、各地の交通はまひし、集落の孤立や車の立ち往生が相次いだ。施設の屋根は次々に崩落。国や自治体などの雪に対する防災の考え方は根底から見直さざるをえない状況だ。被害はなぜ広がったのか。

 雪の重みによるとみられる施設の屋根などの崩落事故も関東各地で発生した。埼玉県富士見市では15日朝、市民総合体育館のメインアリーナの屋根が全崩落。けが人はなかったがあわや大惨事だった。

 国土交通省建築指導課によると、建築基準法は積雪に対する建築物の安全性を確保するため、「50年に1度」クラスを目安とした最大想定積雪量などに応じ、基準を規定。地域ごとに降雪状況は異なるため、具体的な数値はこの基準の計算式に基づき各自治体が規則で定める。埼玉県によると、富士見市は周辺自治体と同様、建物は最低でも積雪30センチを基準として、雪の重みに耐えられる構造にしなければならない。

 しかし、今回の大雪では、同市に隣接する川越市で15日朝までに39センチの最大積雪を記録した。その後に降った雨を吸って雪は更に重くなったと考えられる。

 1990年建設の同体育館は災害時の避難所にも指定されている。監督する県建築安全課は「想定外の大雪だった。基準改正は、他県の動きも参考にしながら、必要があれば検討しないといけない」と話す。

 今後、どういった対策をとるべきか。建築家の三井所(みいしょ)清典・芝浦工大名誉教授(構法)は「今回のような大雪が頻繁に起こるのなら基準の見直しも考えられるが、基準の変更は経済的負担も伴うため簡単にはいかない。まずは崩落の原因究明が大前提」と指摘。民家の車庫の屋根なども崩落が相次いだが、「雪下ろしの習慣がない都市部の住民も、雪が積もったら危険だという意識を常日ごろ、持つことが重要だ」と話す。

 東京都三鷹市の独立行政法人の実験施設の屋根なども崩落した。国交省建築指導課は「現在、建物崩落についての情報収集を進めている。まずは原因を究明し、今後どういう対策が必要かなどを検討する」としている。【町田結子】

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