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禁煙は抗うつ剤より精神の安定に効果的

AFP=時事 2月17日(月)16時10分配信

禁煙は抗うつ剤より精神の安定に効果的

仏パリで、たばこに火を付ける男性(2012年9月27日撮影、資料写真)。

【AFP=時事】 禁煙に成功した人は、不安やストレスを感じている人が抗うつ剤を服用したのと同じぐらい、精神的な安定を感じることができる──13日の英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal、BMJ)で発表された。

世界の喫煙率は低下、喫煙人口は増加 研究結果

 英国の研究者たちは、喫煙者の精神状態について調査された26の報告書を調べ、不安や気持ちの落ち込み、ストレス、生活の質などについての質問に対する答えを数値化したものを研究材料とした。

 対象となった喫煙者たちの平均年齢は44歳で、たばこを1日10本から40本吸う人たち。対象者たちは禁煙をする前と禁煙を始めて平均6か月の2回、質問に回答した。

 禁煙に成功した人たちは挫折した人たちに比べて、不安感や気持ちの落ち込み、ストレスが減り、将来に対してより楽観的になったと回答した。

 BMJに掲載された報告によると、「その効果は抗うつ治療を受けたのと同じぐらい、あるいはそれ以上である」という。また、精神疾患がある人で禁煙に成功した人も同様の効果を得ることができるという。


■「たばこでリラックスできる」は誤解

 研究を率いた英バーミンガム大学(University of Birmingham)のジェンマ・テイラー(Gemma Taylor)氏は、今回の結果が喫煙に対する一般的な誤解の一掃につながってほしいと期待する。

「『たばこはストレス解消になる』『たばこでリラックスできる』など、喫煙が精神の安定にいいというのは、通説にすぎない。こうした通説を覆すのは難しい」と、同氏はAFPに語った。だが実際は、今回の研究で「たばこをやめてニコチン依存から解放されれば、精神状態が改善する」ことが示されたと言う。

 テイラー氏は、たばこ中毒に関する研究の主要理論を指摘した。喫煙者の心理状態はニコチンのせいで1日中不安定になっているというものだ。

 たばこから得られる落ち着きや充足感の後はすぐに、気持ちの落ち込みや不安、動揺といった禁断症状に襲われる。だが喫煙者は、このような症状はストレスやほかの要因によるものだと間違いやすい。そしてニコチンには安定作用があるために、喫煙者は自分の心を落ち着かせてくれるのは、たばこだと勘違いするのだ。

■増加するたばこによる死者

 世界保健機関(World Health Organization、WHO)は昨年7月、たばこが原因で毎年約600万人が死亡し、2030年にはその数が800万人に増加すると推定した。死者の約80%が、中あるいは低所得国の人たちだという。

 喫煙率が減少している国もあるが、世界的にみれば、人口増加などが原因で喫煙者の数は1980年より増えていると、先月の米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association、JAMA)は指摘した。 【翻訳編集】 AFPBB News

最終更新:2月17日(月)20時3分

AFP=時事

 

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