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実在せぬ疑いの人物に知事賞か
2月17日 22時54分

実在せぬ疑いの人物に知事賞か
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40年以上の歴史を持つ書道の公募展「全日展」で、優れた作品に与えられる「知事賞」が、実在しない疑いがある人物に与えられていたとして、少なくとも12の県に知事賞が返されていたことが分かりました。
作品の受け付けや審査はすべて主催者側で行っていて、県からは架空の人物に賞を贈っていた疑いもあるとして、抗議の声が上がっています。

「全日展」は東京・豊島区の任意団体「全日展書法会」が主催する書道の公募展で、文化庁や各都道府県が後援しています。
このうち、都道府県の名を冠した「知事賞」が、その都道府県から応募された優れた作品に与えられてきました。
しかし、去年11月に開かれた「全日展」の知事賞受賞作は、鳥取県や香川県、三重県など、少なくとも12の県の知事賞について、受賞者が賞の贈呈式に現れず、賞状を郵送しても宛先不明で届かなかったということです。
このため、主催者は、実在しない疑いがある人物に賞を出していたとして、該当する県に賞状を送り返しました。
作品の受け付けや審査はすべて主催者側で行っていて、県からは、主催者側が架空の人物に賞を与えていた疑いもあるとして、抗議の声が上がっています。
このうち、鳥取県は17日、全日展を主催する団体に対して、説明や謝罪を求める抗議の文書を送りました。
また、三重県は、事実関係を調べたうえで悪質性が認められれば過去の分も含めて賞を取り消すとしています。
「全日展書法会」の会長を務めていた書家の龍源齋大峰さんはNHKの取材に対し、「なぜ、名前や住所がはっきりしない応募があったのか分からない」としたうえで、責任を取って会長を辞任したことを明らかにし、「都道府県の皆さまにおわび申し上げたい」と話しています。

文化庁も後援取り消しを検討

「全日展」を後援し、「文部科学大臣賞」を出していた文化庁は、この問題を受けて、主催する団体の関係者から聞き取りを始め、応募の経緯や運営の実態について調査したうえで、今後、後援を取り消すことも検討しています。

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