2014年02月17日(月)
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ハウス倒壊続発「今季は絶望」 峡東、ブドウ被害深刻
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倒壊したビニールハウスの周りを雪かきする果樹農家=笛吹市一宮町石 |
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ブドウや桃の栽培が盛んな峡東地域で16日、雪の重みでビニールハウスが倒壊する被害が相次いで確認された。ビニールが破れたりパイプが曲がったりしているハウスのほか、ブドウ棚ごと倒壊した施設も。農家やJA関係者からは「今シーズンの温室栽培は絶望的だ」との声が上がった。
山梨市下栗原のブドウ農家望月勝さん(42)は同日、自宅近くのビニールハウスを見て、呆然と立ち尽くした。親から譲り受けたハウスは雪の重みでパイプがひしゃげ、ブドウの木は引き裂かれていた。
所有する4棟のうち、ピオーネやシャインマスカットを栽培する2棟(計約2500平方メートル)が全壊。雪が降り始める前からボイラーを稼働させ、万全の融雪対策を取ったはずだが、「自然の力には勝てなかった」(望月さん)。
同じ規模のハウスを1棟建てる場合、人件費も含めて約1千万円近い費用がかかるという。「ハウスの下はめちゃくちゃで、どこから手を付けていいのか分からない」
「息子にあのハウスを残してやろうと思っていたんだけど、それもあきらめるしかない」。山梨市牧丘町室伏の農家広瀬昭人さん(76)はそう言い、自宅から見えるビニールハウスに目をやった。ハウスのアーチがゆがんでいるのが見えるが、現地は確認していない。腰の高さまで降り積もった雪が行く手を阻み、近づくことさえできないからだ。
広瀬さんは1月上旬からハウスの加温を開始、芽吹き始めた枝もあるなど生育は順調だった。「今季は絶望的。この年齢になって、まさかこんなことになるなんて」と言葉を詰まらせた。
JAフルーツ山梨は、雪による農業被害の調査に乗り出した。担当者は「自宅から出られない農家もいて、全容の把握にはほど遠い」としているが、「ビニールハウスの大部分が倒壊しているという印象」。被害は笛吹市などでも確認され、JAふえふきが被害状況の把握を進めている。〈報道部、地域報道部〉
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