道路での立ち往生や、集落の孤立が長期化したのはなぜか。

 約670世帯が孤立した山梨県早川町。町外から集めた除雪業者が懸命の作業に当たるが、道路開通のめどはたたない。町職員は「例年の20~30センチの積雪なら1日で除雪できるが、今回は少ない所でも1メートル。町の除雪能力を超えた」。65歳以上の人が人口に占める「高齢化率」は約5割と県内で最も高い。職員は「除雪のマンパワーも不足している」と話した。

 「いわゆる豪雪地帯ではない場所に、一度に大量の雪が降ったことが被害を広げた原因」と話すのは防災科学技術研究所の上石勲・雪氷防災研究センター長。「出動できる除雪車と運転手が足りない。道路にも、雪を留め置く堆雪場(たいせつじょう)がないなど豪雪に対応した構造になっていない。そんな場所で一度立ち往生が起こると渋滞が連鎖し、手が付けられなくなる」と分析する。