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【小ネタ】雑誌も書籍も売れるから「嫌中憎韓」?!じゃあ売れるオルタナティブについて考えてみた

2014年02月17日

■【小ネタ】雑誌も書籍も売れるから「嫌中憎韓」?!じゃあ売れるオルタナティブについて考えてみた■

面白いけど笑えない中国の話

■売れるから「嫌中憎韓」


朝日新聞の記事「売れるから「嫌中憎韓」 書店に専用棚/週刊誌、何度も扱う」 が話題です。この記事そのもの以上に派生した話題が面白いので、たらたら考えたことをメモります。

 「嫌中憎韓」が出版界のトレンドになりつつある。ベストセラーリストには韓国や中国を非難する作品が並び、週刊誌も両国を揶揄(やゆ)する見出しが目立つ。東京・神保町の大手「三省堂書店」。1階レジ前の最も目立つコーナーに刺激的な帯のついた新書が並ぶ。(…)同書店では昨年秋ごろから日本を賛美する内容の本と並んで、韓国や中国を批判する内容の本が売れ始めた。大月由美子主任は「店舗の売り上げに占める割合が大きくなり、専用のコーナーを設けることになった」と説明する。

(…)新しい動きもある。昨年末に編集長が交代した週刊現代は1月末の号で嫌中憎韓路線を転換。「『嫌中』『憎韓』に酔いしれる人々は本当に武器を取るつもりか」と訴えた。若手記者からは異論もあったが、「面白いだけでなく、ためになる週刊誌でなければならない」(同誌記者)と決めたという。売り上げは「落ちなかった」という。 

「反中嫌韓」という表記が一般的かと思っていたのですが、気づけば「嫌中憎韓」とそれぞれワンランクアップの表記が出回っていたようです。「反日嫌中憎韓」ときれいに並べられるという効果もあるのでしょうか。


■『反ヘイトスピーチコーナー』作りませんか」という提案に対する書店員の方の反応

この朝日の記事以上に面白かったのがツイッター上での論争。「「『反ヘイトスピーチコーナー』作りませんか」という提案に対する書店員の方の反応」というタイトルでまとめられています。中でもポイントを取り出すと以下の方々のつぶやきでしょうか。






反応はというと、「本屋は文化の担い手なんだから派」VS「本屋だって商売なんだから売れるもの売るよ派」の対立がメインに見えますが、書店員タサヤマさんの問題提起「できれば売れるリベラル本書いてほしい」があんまり議論されていないのが残念。


■売れる韓国本、売れない中国本

「嫌中憎韓」のオルタナティブがリベラルなのかどうかは私にはよく分かりませんが、売れる対立軸があればいいのになと思います。本屋さんも読者も喜ぶでしょう。ということを中国屋として考えるわけですが、なかなか思いつきません。

というか、その前に「嫌中憎韓」とセットにされているわりに中国叩き本は売れていないのです。上述朝日の記事では「昨年7月以降トップ10に入った中韓や日本についての新書」というリストがありますが、中国関係は倉山満『嘘だらけの日中近現代史』の一冊のみ。新書以外では竹田恒泰『面白いけど笑えない中国の話』も話題になったようですが、竹田さんの他の本と比べれば特に売れてはないようです。

「嫌中憎韓」とセットにされているわりに、売れるのは韓国本か、「日本はすごい本」ばかりなんじゃないかという……。中国の毒食品とかその手の話はネットニュースやら週刊誌には結構取り上げられていますし、本も相当数出版されていますが、あんまり需要はないのだと見ています。

というわけでオルタナティブとか言う前に最初の軸がないわけですが、それでも頑張って考えてみました。ネット記事の手応えで話をいうと、「心温まる系」の需要はあるように感じます。『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由』もそれなりに話題になったことですし。


■「なぜ嫌中憎韓が盛り上がったのか?」にも需要が

さらに付け加えますと、朝日の記事が話題になったことからもわかるとおり、「なぜ日本は嫌中憎韓がこれほど盛り上がってしまったのか?」ネタもそれなりに注目がありそうです。実は昨年末にも似たような話がちょっとした話題となっていました。

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このネタが本としての需要があるかどうかまではわからないのですが、本屋のコーナーや週刊誌の見出しを見ているとなんかすごいことになっているわけで、そのことについて考えたいという人は一定数いるのではないでしょうか。


■売れるかどうかじゃなくて、自分が読みたい本の話

私はここ10年程度、中国のB級ニュースを腐るほど読み続けています。ハイソなニュースを読んでいる量では私以上の人はいるかもしれませんが、B級ニュースを読んでいる量では誰にも負ける気がしません。何の自慢にもなりませんが。

なので中国の**が爆発した、毒食品が、すごい汚職が……的な話にはもう不感症になっていてあまり食指が動きません。というか、その手の話ってパターンが決まっていて一目見れば話がわかってしまうし、とんでもない事件のように見えてもちゃんと調べると常識的な結論に終わってしまうこともしばしば。

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でも残念なことに現在粗製濫造されている中国叩き本って、その手の話の寄せ集めに終わっていることが多いんですよね。

もう反中とか日中友好とかどうでもいいから、つまんない本じゃなくてなんらかの驚きが詰まった本にしてよ。それが売れる日本の本屋さんであってよと個人的には思うわけですが、まあそれが一番難しいんでしょうね。

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コメント一覧

    • 1. 名無し
    • 2014年02月17日 14:21
    • ネットで見ればで嫌韓のブログは溢れてますが嫌中をメインにしたブログは見たことないです

      韓国中国に対する需要を括り過ぎてるのかなと

      後、嫌韓本に関して言えば日本人が知らなかった反日を紹介してるだけでそれはヘイトなんですかね

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