取り残された日本のサラリー砂漠、アジアなら10%昇給も大あり
2月14日(ブルームバーグ):アジアの多くの国のホワイトカラー労働者にとって、今は賃上げを求める好機だ。人材あっせん会社のヘイズは最近、中国と香港、日本、マレーシア、シンガポールの2600の雇用主を対象とした年次調査の結果を発表した。それによると、各国の勤労者らは今年、大幅な給与アップを望めそうだ。ところが日本だけは例外だった。
ヘイズのリポートによれば、「アジアは引き続き採用活動の中心だ。高スキル労働者がどこでも不足していて、採用担当者の恒常的な頭痛の種になっている」。
中国では調査に答えた雇用主の12%が昨年、給与を10%以上引き上げた。また、企業の54%は給与を6-10%引き上げたと回答した。今年も良い年になりそうだ。雇用者の58%が今年6-10%の賃上げを見込んでいる。
アジアで唯一の例外が日本だったのは、驚くにあたらない。給与の伸び悩みは日本経済再生を目指す安倍晋三首相の悩みの種だ。残業代と賞与を除く基本給与は昨年12月に前年同月比で0.2%低下し、1年7カ月連続で減少した。
物価は既に上がり始めているし、4月には消費税率も引き上げられる。手取りが増えなければ安心して消費することはできない。安倍首相が給与を引き上げるよう企業に圧力をかけるのはこのためだ。政府が狙っているのは、企業の利益が増える>給与が上がる>消費が増える>また利益が増えるという好循環だ。
しかしヘイズの調査を見ると、日本の企業はあまり気前がよくなかった。調査に答えた日本企業の16%では、昨年は昇給ゼロだった。給与を引き上げたと答えた64%も3%未満という小幅な賃上げだった。今年についての見通しもほぼ変わらず、64%の企業が最大3%の賃上げを見込んでいる一方、12%は給与を上げることを全く考えていない。
(原文はブルームバーグ・ビジネスウィーク誌のウェブサイトに掲載)
原題:Want a Big Raise? Move to Asia (but Avoid Japan)(抜粋)
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更新日時: 2014/02/17 07:01 JST