【バンコク(タイ)木村尚公】名古屋グランパスはキャンプ最終日の16日、若手中心の控え組がタイ・ジャパニーズスタジアムでバンコク・ユナイテッドFC(タイ1部)との練習試合に臨み、2−0で勝った。MF枝村匠馬(27)が30メートルのFKを直接沈めるスーパーゴール。故障の影響でポジション争いから一時後退していたが、タイ・ラストマッチで健在をアピールした。チームは17日に帰国する。
枝村の超絶FKが、スタンドで陽気なお祭り騒ぎを繰り広げる1000人超のバンコクサポーターを黙らせた。後半36分、ゴール正面やや左からの直接FK。ゆっくり助走に入ると、右足を強振。「イメージ通り。うまくけれた」。30メートルの距離をものともせず、鋭い弾道で左スミへ突き刺した。
キャンプ序盤まではレギュラー組の守備的MFとしてプレー。開幕スタメン当確かと思われたが、一転して練習試合では先発外の連続。15日のトヨタプレミアカップ・ブリラム戦では若手MFの田口と磯村に先発を譲り、出場すらしなかった。
理由は左ひざの違和感。枝村は「何度かやっているところ。ちょっと痛みがある」と明かす。西野監督は「枝村はゲームをつくれるし、シュート能力が高い」と評価しつつも、「故障や痛みを抱えている選手については考える」と説明。レギュラー組での起用には慎重な姿勢を示している。
チームにとって枝村の復調は大きい。キャンプ中に主力組で臨んだ4試合で、FW陣が挙げた得点は新人小屋松の1得点だけ。西野監督は「個人的な問題じゃなく、チームとして見直さないといけないところ」。パスとシュートセンスに秀でた枝村なら、ちぐはぐな攻撃を立て直す即効薬になりうる。
JリーグではC大阪の新外国人フォルランが練習試合で決めた35メートル弾が話題になっているが、グランパスの新戦力・枝村の30メートルFKもインパクトでは負けず劣らず。開幕まで残り2週間。「焦らずいきます」と語る“助っ人”の回復具合が、ロケットスタートへのカギを握りそうだ。
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