記録的大雪！最多積雪７県１５地点、けが１１００人超

記録的積雪となり、甲府市内で雪かきに追われる市民

　急速に発達した低気圧の影響で１４日深夜から１５日にかけて関東甲信から東北で雪が激しくなり、先週を超える記録的な大雪となった。気象庁によると１５日までに観測史上最多積雪を更新したのは、７県１５地点に達した。各地で事故やトラブルなどが相次ぎ、雪の影響とみられる事故などで死亡したのは、１４日の降り始めから７県で計８人、けが人は全国で１１００人を超えた。

　◆東横線で追突　１５日午前０時半ごろ、川崎市中原区の東急東横線・元住吉駅で、停車していた渋谷発元町・中華街行き普通電車（８両編成）に、後続の同じく渋谷発元町・中華街行き普通電車（同）が追突、後続電車の１、２両目が脱線した。神奈川県警によると、乗客計１９人が打撲などのけがを負ったが、いずれも軽傷。停車していた電車には約８０人、後続には約６０人の乗客がいた。

　後続電車の運転士は調べに「ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話しており、県警は原因を調べている。国交省は、電車同士が近づくと自動的に速度を制御する自動列車制御装置（ＡＴＣ）は正常に作動していたが、追突した後続電車は雪の影響でブレーキ力が低下していたとの認識を示した。

　◆仙台で雪崩　１５日正午ごろ、宮城、山形県境に近い仙台市の国道４８号で「雪崩が起きて乗用車ががけ下に転落した」と仙台市消防局に通報があった。消防局によると乗用車２台が転落し、乗っていた計４人は脱出して無事だったという。仙台河川国道事務所によると、現場付近では少なくとも３か所の雪崩が発生したとみられる。

　また、午前９時４５分ごろ、仙台市青葉区でも雪崩が起きた。仙台北署によると、タンクローリーとトラック各１台が巻き込まれ、タイヤが雪にはまるなどしたが、タンクローリーの運転手は自力で脱出した。

　◆修学旅行生搬送　羽田空港で１４日夜、出発待ちのため機内で長時間にわたり待機していた修学旅行中の高校生が体調不良を訴え、３０人が病院に搬送された。警視庁東京空港署によると、香川県さぬき市の藤井学園寒川高の生徒。大半が女子で、過呼吸のような症状が出ていたが、いずれも命に別条はないという。生徒らは午後４時５０分発の便で高松空港に向かう予定だったが、雪で出発が遅れた。機内で待機したが、体調不良を訴える生徒が相次ぎ、離陸を中止して午後１０時半ごろロビーに移った。

　◆屋根落ちて死亡　１５日午前９時半ごろ、埼玉県加須市の会社員・石井幸三さん（６４）方の２階ベランダで、妻の光江さん（６７）が雪に埋もれているのを幸三さんが発見し、１１９番通報した。光江さんは病院で死亡が確認された。プラスチックの屋根が雪の重みで落ち、下敷きになったとみられる。

　また、長野県原村の住宅の駐車場で、この家に住む無職・鎌倉広子さん（８１）が倒れたカーポートの下敷きになり、約２時間後に病院で死亡が確認された。

　◆気象衛星トラブル　気象庁は大雪の影響で、気象衛星「ひまわり７号」からの画像データの一部が正常に受信できなかったと発表した。「ほかの観測データも用いているため、警報発表などの作業には大きな影響はなかった」と説明している。気象庁によると、気象衛星通信所（埼玉県鳩山町）の通信用アンテナに雪が付着し、電波が弱まった。午前４～８時の画像が正常に受信できなかった。

（2014年2月16日06時03分スポーツ報知）