患者の津軽弁、医師ら誤解多く 方言教育の重要性学会発表へ
津軽地域の医療施設で働く医師が方言を誤認するケースや、
看護師の大半が方言を理解できないケースがあることが、
弘前学院大学文学部の今村かほる准教授らが行った調査で明らかになった。調査対象となった看護師のほとんどが、
医療現場で方言を理解することの必要性を認識しており、方言教育の重要性が改めて注目されそうだ。
今村准教授は「方言教育は社会に直結する問題。津軽弁研究から将来的に教材開発といった“津軽モデル”を発信していきたい」と意気込んでいる。調査を踏まえた方言研究成果は24日に愛知大学で開かれる日本語学会で発表される。
今村准教授らは「共通語のコミュニケーションが正しいという考えは本当だろうか」との疑問から2005年に医療や介護の現場での方言調査を開始。中間報告として今回、津軽地方での研究を
「医療・看護・福祉現場における方言教育」にまとめた。
この中で、弘前市内の医療施設で働く看護師37人を対象にしたアンケート(08年9月~09年10月)では、患者の方言が分からなかったことがある看護師は全体の60%に上り、全体の97%が「津軽では方言の理解が必要だ」と回答した。
また、津軽地域の住民、医師、看護師を対象にした面接調査では方言を誤認した具体例が明らかになった。
例えば、津軽地方の診療所で患者が「ボンノゴガラ ヘナガ イデ」と医師に症状を話したのに対し、医師は「お盆のころから、背中が痛い」と認識、津軽地域出身の看護師が誤認を指摘した。
腹ばいになるという意味を持つ「ノタバリへ」を、他地域出身の医師が使い誤って「クタバリへ」と話すなど現場ではあってはならない例もあった。
今村准教授は「現場では症状、身体部分の表現、感覚などさまざまな分野で方言を理解することが必要とされている。地元の看護師らが通訳として現場を支えている」と実態を説明する。
また、首都圏に暮らす息子夫婦に引き取られた津軽出身の女性は首都圏の病院で津軽弁が理解されず、治療をあきらめそうになり、病院スタッフが津軽出身の看護師を探す事態もあった。
経済連携協定(EPA)でインドネシアから日本(むつ市)に来た介護士への聞き取りでは、現場で聞いて分からない言葉が共通語か方言かも分からないという実態も浮かび上がった。
外国人が地方で働く場合、共通語や専門用語のほかに方言を習得することも必要となり、日本語習得のためのハードルが高くなる。
問題解決のため今村准教授は、現場で必要とされている津軽弁のデータベースや問診の様子を津軽弁で再現したDVDなど教材開発も試みている。
「方言の分からない若年層が増え、高齢化が進む中で、現場で患者の方言が分からないという事態は深刻化する。方言問題は地域や国を越えた問題」と力を込め、方言研究の必要性を強く訴える。
【写真説明】今村かほる准教授
http://www.mutusinpou.co.jp/news/2010/10/13665.html
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>「医療・看護・福祉現場における方言教育」
普通に考えれば、日本全国はもちろん、海外で働く可能性がある医療従事者が
わざわざ、津軽弁を習得してまで津軽で働こうとは思わないでしょう。
津軽弁を勉強しているヒマがあるなら英語や中国語、韓国語を先に勉強しますよ。
だって、津軽弁が分かるようになっても、津軽でしか通用しないんだよ??
ただでさえ医師看護師が不足している状況で、これ以上負担を増やすのであれば、
新しく勤務する人がやってこないのはもちろん、今いる職員の離職を加速するばかりです。
>弘前学院大学文学部の今村かほる准教授
まず、今の医療の現状というものを知っていただきたいです。
患者の訴えを理解することの重要性は理解できますが、
医療従事者に津軽弁を教育するよりは、『通訳』を雇用するほうが現実的でしょう。
患者側に、出来るだけ標準語で話す、家族と一緒に受診する等の努力を促すことも大事だと思います。
津軽弁翻訳サイト↓
http://www.interq.or.jp/w
ww-user/miu7777/tugaru/convert.html