「メダルで妹も元気に」=家族への恩返し―葛西紀明選手〔五輪・スキージャンプ〕
時事通信 2月16日(日)8時42分
【ソチ時事】ソチ五輪のノルディックスキー・ジャンプ男子ラージヒルで15日、葛西紀明選手(41)=土屋ホーム=が銀メダルを獲得した。数多くの外国メディアに囲まれた記者会見では、これまで支えてくれた家族に対し、感謝の言葉を並べた。
1998年長野五輪の前年、実家の火事の影響で、母幸子さんが48歳で亡くなった。「僕を支えてくれた、一番大事な母だった」。五輪に挑むたび、母からもらった大事な手紙を読み返しては、勇気をもらった。今回、あえて手紙を日本に置いてきた。それは、母の存在に頼っている自分に気づいたから。「自分を強く持ってやろうと思った」
妹は若い頃から病弱で、現在も闘病中。それでも、いつも自分のことを気にかけて、ソチ入り後も、病床から毎日のように励ましのメッセージを送ってくれた。「いつかメダルを取って、恩返しをしたいと思っていた。これで妹も元気になってくれるかな」
「50歳までやる」と公言している葛西選手。4年後の平昌五輪は、日本に近い韓国で開催される。移動もそれほど負担にはならないため、北海道から初めて家族を呼ぼうと考えている。「おやじも姉ちゃんも涙を流しながら応援してくれた。(次の五輪は)みんなで応援してもらいたいね」と、柔らかい笑みを浮かべた。
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