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事件
【大雪再び】なぜ屋根は落ちたのか 湿った雪質、雪対策に脆弱な首都圏の構造物
2014.2.16 20:30
東日本を襲った今回の大雪では、屋根の崩落の被害が相次いだ。水分を含んだ重い雪による負荷が屋根にかかったとみられ、専門家は首都圏の雪に対する脆弱(ぜいじゃく)性も指摘している。
防災科学技術研究所雪氷(せっぴょう)防災研究センター(新潟県長岡市)によると、今回の雪は8日の乾いた雪とは違い、水分を含んだ重い雪になったという。
海上自衛隊の航空機が置かれた神奈川県大和市の民間会社の格納庫の屋根が陥没。横浜市の東急こどもの国線こどもの国駅では約40メートルにわたりホームの屋根が崩れた。東急電鉄は「雪が積もった後に雨が降り、重さが増した」としている。
芝浦工業大名誉教授(建築学)の三井所(みいしょ)清典氏(75)は「雪国と違い首都圏に雪の負荷を考えた建物の基準などがないことも背景にある」と話す。条例で数メートルといった雪の荷重に耐える屋根の強度を求めている雪国に対し、首都圏は雪の想定はしていない。
埼玉県富士見市の市民総合体育館のメーンアリーナは屋根が約2千平方メートル崩落したが、市によると、屋根は鉄骨製で平成24年の定期点検では異常はなかった。
三井所氏は「通常は強度に余裕を持たせる。設計や施工に問題があった恐れもある」と指摘。さらに「雪国でも、危険を感じれば住民は雪下ろしをする。首都圏も基準や習慣の見直しを検討すべきだ」と訴えた。
相次ぐ崩落を受け、政府は16日、内閣府など関係省庁の担当者を集めた会議を開き、原因や対策を緊急調査することを確認した。
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