僕の好きな、ナックルズの危ない病院シリーズです。
今回は現場で働く医師として、ナックルズマンガの真否を検証します。
↑これが表紙。
サブタイトル
『こんな奴らに命、預けられますか―!?』
「僕みたいな奴に命、預けないでください。」
というのが本音。
↑救急医療は儲かると誤解している人がいますが、
病院にとっては、経営のお荷物です。
「これ以上働かせて、俺を殺す気か!」
と怒る医師。
気持ちはわかります。
昔、夜中に病棟に呼び出されたときに同じようなセリフを言った覚えあり。
医師も生身の人間です。
無限の体力、精神力があるわけでもなければ、
病気になりにくいわけでもありません。
「今カップラーメンにお湯を入れたからに決まってるだろ!
のびてぬるくなったラーメンを食えって言うのか!」
と、カップメンを食べるために急患を断る医師。
実際には、急患の連絡が来てから、
病院に到着するまで10分以上かかる場合がほとんどなので、
カップメンは食えます。
でも昔、カップメンにお湯を入れた瞬間に「今患者来てます」と連絡があって、
食ってから診察しに行ったことはあります。軽症でしたが。
「雇ってくれる病院は他にもあるから」
「受け入れて医療ミスした方がよっぽどヤバイだろ」
「リスクマネージメントしたんだよ」
はい、救急なんぞに手を出さないのが最大のリスクマネージメントです。
救急に勤務してる時点でリスクマネージメントがヤバイ。
文句を言って怒りながら救急をやるぐらいなら、辞めた方が賢いです。
酔っぱらいながら急患を診ようとしている医師です。
はい、昔飲酒後に内視鏡(胃カメラ)やりました。
悪徳な医師『だけ』
医師だけが金を喰っている訳ではありません。
年収4000万の医師が1人いるよりも、
年収1000万の仕事しない他職種が5人いる方が問題です。
組合が強い赤字の病院では、実際によくある話です。
「当直がオペができない医師や研修医だけなんてケースも実際にはあるほど」
「実際にはあるほど」っていうか、
ほとんどの病院がそうだと思います。
僕も研修医の時に500床の病院で1人で救急車受けて当直してましたし。
救急医は麻酔科や内科あがりが多いので、オペができる人の方が少ないでしょう。
それに外科医が1人で出来るオペは極めて限られます。
ナックルズスタッフは救急医療に対する幻想を一刻も早く捨てるべきです。
医局に入ると教授が医者を病院に派遣するんです。
医者は絶対服従です。
どんな病院でも勤めなければなりません。
君は病院の名誉を傷つけた。
残念だがここで働く資格はない。
20世紀の医局って、多分こんな感じだったのかも。
現在では
もはや医局の派遣命令に絶対服従する医者なんぞ
絶滅寸前の天然記念物です。
その証拠に、大学が派遣を中止して診療科閉鎖(縮小)という現象が各地で起こってます。
日本中の大学で医局員不足に苦しむ現在では、
医局員を首にする教授も絶滅寸前だと思います。
(昔)君は病院の名誉を傷つけた。残念だがここで働く資格はない。
↓↓
(今)大変だったな。また大学で頑張ってくれ。
辞めた○×先生の後任として助教(講師・准教授等)にするから。
教授にしてあげる、と言われたのに辞めた准教授を知ってます。
ナックルズ編集部にとって、
医療界と裏社会って、オセロの白と黒みたいなもんなんでしょうか?
という訳で、興味のある方はコンビニでこの本を購入しましょう。
ナックルズ編集部の次回作に期待しています。
というか、このブログをマンガにしてほしいくらいですw