東横線事故 雪対策ブレーキ性能果たさず2月16日 19時04分
15日、東急東横線の駅で起きた電車の追突事故で、追突した電車のブレーキは雪への対策を取ったタイプだったにもかかわらず国の基準で求められる性能を果たしていなかったことが分かり、国の運輸安全委員会はブレーキの雪対策などに問題がなかったか調べています。
15日未明、川崎市にある東急東横線の元住吉駅で、止まっていた電車に後続の電車が追突して乗客19人がけがをしました。
東急電鉄によりますと、追突した電車のブレーキは、最高速度で走行しても原則600メートル以内で止まることができるという国の基準を満たした性能だったうえに、雪が降った際、ブレーキパッドという部品を車輪に軽く押し当てた状態で走行することで車輪とブレーキの間に雪が入りにくくするタイプだったということです。
しかし、追突した電車は最高速度を30キロほど下回る時速80キロ程度で走行中に非常ブレーキをかけたのに基準どおりには止まらず、およそ600メートル走り続けて前の電車に追突していて、結果として求められる性能を果たしていませんでした。
国の運輸安全委員会は、車輪とブレーキパッドの間に雪が挟まって滑り、ブレーキの性能が大幅に低下していた可能性があるとみて、ブレーキの雪対策や車両の保守管理などに問題がなかったか調べることにしています。
ブレーキの雪対策強化必要
鉄道の技術に詳しい工学院大学の曽根悟特任教授は「追突した電車は前の電車と十分な距離がある時点で非常ブレーキをかけ始めている。雪が入り込まないよう車輪にブレーキパッドを押しつける対策を取っていたにもかかわらず事故が起きていたとすれば、想定を超えるものだ」と話しています。
そのうえで曽根さんは「今回の事故は摩擦の力に頼る非常ブレーキの性能が、雪が降ったときに大きく低下する可能性を示している。車輪にブレーキパッドを押し当てる力をうまく制御したり、雪が入りにくいようにフードをかぶせたりするなど、雪に対する防御策を一層強める必要がある」と指摘しています。
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