古賀淳也 著
定価
1,575円 (本体1,500円)
/ 送料 120円
/ 2013年10月29日 発売
音を失った作曲家が紡いだ
「いのちの調べ」
18万枚を超える大ヒット「交響曲第1番“HIROSHIMA”」と、大震災の被災地への鎮魂の思いを注いだ「レクイエム」の誕生。全聾(ぜんろう)の作曲家・佐村河内守の被災者への共感の背景にあるものとは――。佐村河内に5年間寄り添い、番組を制作してきたディレクターの著者が、いのちの作曲の軌跡を綴る「NHKスペシャル」の出版化。
目次
プロローグ
第一章:「交響曲第1番“HIROSHIMA”」への軌跡
作曲家という人になりたい/初めての発作/音を失った作曲家/佐村河内さんとの出会い/ありのままを撮ってくれるなら/嬉しいニュース/初めてのコンサート/熱意のリレー/希望のシンフォニー
第二章:僕には一人しか救えない
レクイエムの作曲を決意/津波で母を亡くした少女/僕には一人しか救えない/初めての被災地入り/ぶつけようのない怒り/千羽鶴に書かれた「愛と祈り」
第三章:世界でいちばんママが好き
真奈美ちゃんの家へ/お守りとストラップ/母・希久美さんの最後のメール/二人をつないだピアノ/子どもたちへの眼差し/世界でいちばんママが好き
第四章:お互いを家族として考えよう
月に一度の通院/音楽室での「瞑想的作曲」/お互いを家族として考えよう/レクイエムの全体構成/直面した発作
第五章:ストック・ブレインと一〇〇の音色
「NHKスペシャル」でしたかったこと/音楽学者がうなった譜面/専門家の語る、作曲家としての才能/ストック・ブレイン/記憶の中にある一〇〇の楽器
第六章:光の交換
進まぬ筆/二人をつなぐ紐/子どもたちとの「光の交換」/晶大さんの笑顔/美来さんの千羽鶴/再び被災地へ/希久美さんの墓前にて
第七章:深まる苦悩
演奏会の準備/校長先生との出会い/倒れなかったヒマラヤスギ/陸前高田のスーパーマーケット/三度の千羽鶴/深まる苦悩/最後の砦/女川での野営/そして扉は開かれた
第八章:レクイエムの誕生
全てを亡くした男性/湧き出ずる音/神聖な記譜作業/奏でられたレクイエム/希久美さんへの報告/人の心の復興
エピローグ
鎮魂の旅路の果てに―刊行によせて 佐村河内 守
あとがき