2014-02-15 自己反省無き「リベラル」文化人・鎌田慧

明日で都知事選からまる一週間になりますが、「細川一本化論者」の中で自分らの見通しの甘さを真摯に見つめなおした人にはとんとお目にかかっておりません。湯川れい子氏にきむらゆい氏、あと「世に倦む日日」田中宏和氏などはツイッター上で「引かれ者の小唄」と言うべき自己正当化の言説を撒き散らしてますし、広瀬隆氏に至っては都知事選敗北の総括を全然やってませんし。*1
そして真打の鎌田慧氏は、東京新聞並びに朝日新聞で、これまた自己正当化の主張を垂れ流しております。
◆警世の言葉〜「むのたけじ、瀬戸内寂聴、澤地久枝、小山内美江子さん」
鎌田 慧
むのたけじさんの話を聞いているうちに、目頭が熱くなった。99歳の老ジャーナリストは、秋田訛りの強い口調で、安倍内閣の戦争への傾斜を批判した。気がついたときには戦争がはじまっていた。言うべきことは、いま言わなければならない、との熱弁だった。
危機意識は瀬戸内寂聴さんにも強かった。戦争と原発再稼働を訴えるために、京都−東京を二往復された。四日間、寒さの中で92歳の辻説法。戦争ゼロと原発ゼロを、諄々とユーモア混じりに訴えられた。人間社会への信頼感の溢れた演説で聴くひとに感動を与えた。
作家の澤地久枝さんは、82歳の病身ながら、毎日宣伝カーに乗っていた。
83歳の小山内美江子さんも、二度ほど記者会見に出席され戦争体験を話された。都知事選挙は、都民の生活に埋没され、原発事故はたくみに争点から外されたが、安倍内閣の排外主義的な攻勢を止める、大きなチャンスだった。
奇妙なことに、小泉純一郎元首相への批判が、「左翼」性の証明にされたが、彼の「原発推進はまちがっていた」という貴重な証言は、「選挙」戦術にかき消された。
わたしは、苛烈な戦争体験をえた90歳、80歳の先輩たちが、自分の体を省みることなく、雪と寒風の中で、原発と戦争への反対を訴えつづけた、そのそばにいた、今回の選挙戦は、次の世代への贈り物だった。ありがとう。
小泉が戦争を止めるみたいな事連呼してますけど、小泉がイラク戦争を支持した事を反省してましたっけ?イラクで人質にされた方々を「自己責任」とか言ってバッシングを煽った事を反省してましたっけ?それに香田証生さんを見殺しにした事は反省してましたか?
そんな鎌田氏に聞かせてやりたかったのが、都知事選最終日における辛淑玉さんの話です。
■「小泉さんが嫌いな理由はただひとつ。香田証生を殺したから」辛淑玉さん( 11日付「KABASAWA YOUHEI BLOG」)
先日のドミューンでの宇都宮さん応援番組で辛淑玉さんのところを多くの人に観てほしいと思います。
「彼ら(武装グループ)は、なぜ日本政府が法を破ってイラクに自衛隊を派遣したのかと尋ねています。小泉さん、彼らは日本政府に自衛隊のイラクからの撤退を求めています。さもなくば、僕の首をはねると言っています。すみませんでした。また日本に戻りたいです」
この時日本のトップである小泉さんは即答しました。「自衛隊は撤退させない」と。アメリカに尻尾振ったんでしょ。
このあと彼は殺されました。
いとも簡単に、見殺しにするというメッセージを送りつけた。
こうやって社会は壊されていくのだ。いま、日本人であるということは、いくらその人が良心的で愛にあふれていたとしても、国境を越えたとたん、日本人であるというだけの理由で殺される危険を背負うことを意味している。なぜなら、日本人は殺戮に加担する政府を温存しているから。この状況こそ、罪の無い人々を殺戮する米政府に尻尾を振ってついていく日本政府の大罪ではないのか。
脱原発で正義を訴えてるが、どれだけの国民がこうしたことを知ってるのだろうか。国民の命よりアメリカ。だからあの人は長らく首相して君臨できた。郵政民営化もアメリカからの要求。ころっと忘れ小泉劇場に振り回される民度にも恐ろしくなってしまう
この国の「民度」を象徴した形となった鎌田氏ら「リベラル」文化人の方々ですが、朝日での鎌田氏の言い草は以下の通り。
■都知事選、脱原発派は敗れたのか 鎌田慧氏が寄稿 朝日新聞デジタル記事。(13日付「大木晴子のページ 明日も晴れ」)
東京都知事選挙で脱原発を掲げる候補の一本化を呼びかけたルポライターの鎌田慧さんに選挙結果をどう受け止めたか、寄稿してもらった。
◇
東京都知事選は結局、自民と公明の与党が支援した舛添要一氏が逃げ切ったかたちで当選を果たした。「原発ゼロ」を最大公約に掲げ、自民党の原発推進政権に歯止めをかけようとした細川護熙氏は敗れた。細川氏は起ち上がりの遅さを最後まで挽回(ばんかい)できなかった。
街頭演説では、「原発ゼロで日本を再生しよう」と訴え続けた小泉純一郎氏と細川氏との元首相コンビが、圧倒的な人気をみせていた。どこでも千人を超す人垣ができた。
それが票となって表れるなら、細川氏が舛添氏に圧勝していたはずだ。が、東京の地下深くに延びている、保守的な岩盤、自公の組織票を崩すことができなかった。
今回の都知事選は、自公が舛添氏を支援し、共産、社民が宇都宮健児氏を推薦、細川氏は民主などが支援という三派鼎立(ていりつ)の構図だったが、民主を支えている連合東京は舛添氏を支援した。東電労組や電機メーカーなど原発関連産業の労組は、原発とその再稼働に賛成だから、労使一体となって、脱原発の「細川不支持」だった。
都知事選は、米軍基地建設反対を掲げて当選した沖縄の名護市長選挙、同じ日にやはり自民の国会議員に支援された候補が敗北した福島県南相馬市長選挙に続いて、安倍政権のきわめて右派的な重要政策(原発推進、秘密保護法実施、集団的自衛権容認)にストップをかける、重要な選挙だった。
細川氏と小泉氏は原発ゼロの経済効果を説くばかりではなく、政治の流れを変える、とも語った。保守派からの「安倍右傾化」批判でもあった。自民党から除名された舛添氏を、安倍首相が担いで選挙を戦ったのは、ほかに勝てそうな候補がいなかったからだ。
舛添氏の公約は「東京世界一」「史上最高のオリンピック」というものだった。日本の将来よりも当面の利益を保証する、という公約が、原発依存と建設ブームに期待する大企業や、不況と失業に打ちひしがれている中小業者や若者たちの期待感を引きつけたのは事実だった。
選挙戦がはじまったとき、細川選挙事務所にいってみると、運動員はいない、ビラはない。街宣車のマイクが小さい。指揮系統がはっきりしない。集まってきたボランティアは、仕事がなく、すごすご帰るありさまだった。「地上戦なしの空中戦」が、選挙責任者の方針だった、という。
態勢を組み直されたのは、当初の運動責任者が一掃されてからである。そのときは、もうすでに一週間がすぎていた。つまり、「舛添が勝った」というより、細川選対の準備不足の敗北だった。
せっかく、二人の元首相が、「原発を認めたのは無知だった。間違いだった」と公衆の面前で重大な告白をしても、宇都宮氏を推す共産、社民の陣営はかつての小泉政治を批判して聞く耳をもたず、共倒れとなった。日本の政治の未成熟さだった。
原発が再稼働に向かおうとする前夜に、原発の危険性を叫び続けた細川氏の功績は大きい。経済もオリンピックも、もう一度原発の事故が起きればゼロである。
「原発ゼロでオリンピックを迎えよう」は、いまも有効な警世の叫びである。
◇
かまたさとし 1938年青森県生まれ。ルポライター。早稲田大学を卒業後、業界紙、雑誌記者をへてフリーランスに。労働問題、公害など社会問題に取り組み、1970年代初めからは原子力発電の危険性を鋭く指摘してきた。著書に『自動車絶望工場』『日本の原発危険地帯』『六ケ所村の記録』など。
細川氏の起ち上がりが遅い、舛添氏の公約が有権者を引きつけたって、そもそも告示前日になるまで正式に出馬もせず政策も出さなかった細川にホイホイ乗っかったのはどこの誰ですか?悪いのは自分でしょう。宇都宮陣営に対して「聞く耳を持たず」などと言う資格が貴方にあるのですか?
「リベラル」な文化人がかくも自己反省能力の欠如をさらけ出しているからこそ、日本の戦争責任の問題がいつになっても解決できないのだと愕然とさせられる次第であります。
http://watashinim.exblog.jp/11887657/
田母神氏を支持した保守のかたがたのほうが、その思想には私は賛成できないもののスジは通していると思います。
ま、単に踊らされてるネット右翼に関してはこの限りじゃありませんが。
細川・小泉に本当に?ストップ・ザ・アベや?反原発の政策的思想的足場があるのかどうなのかという点を鋭く抉り出さなければいけません。
また、なんちゃって文化人たちに対しては、彼らの?視野狭窄でペシミスティックな情勢論が一本化願望の脅迫観念にもなっているのですから、そういう非科学的で一面的な情勢認識の誤りを指摘・解明しなければならないと思います。彼らの一本化論というのは、第二次大戦前の反ファッショ統一戦線・人民戦線論の粗雑で図式的なアナロジーなのです。
結局、根拠薄弱な楽観論も拙いけれど、一国主義的視野狭窄な悲観主義情勢論も拙い。悲観や絶望は虚無主義を介してファシズムの応援団にしかならないのですからね。
上記のうち?はオレも既に土佐高知ブログなどに書きましたが、?や?はまだです。
一本化論者たちは「過去は水に流して」というデタラメで逃げていますが、細川や小泉には「現在」も問われているのですから、彼らのインチキな反アベ・スローガンや都知事選=人民戦線不可欠論の誤りや欺瞞を粉砕しなければなりません。
告示前後の経過がどうしたこうしたみたいな議論は、一本化問題を考える際には小数点以下の瑣末な論点なのです。
要は、細川・小泉には一本化対象としての資格は今でも全くない、ということ!
そんな相手だったら、オレは宇都宮が降りなくてもそういう相手候補者に投票していましたよw
>上記のうち?はオレも既に土佐高知ブログなどに書きましたが、?や?はまだです。
は、
上記のうち2の「反原発」はオレも既に土佐高知ブログなどに書きましたが、1の「ストップ・ザ・アベ」や3の「視野狭窄でペシミスティックな情勢論」への解明・批判はまだです。
です。