Kyoko Shimbun 2011.08.20 News

投打最強マシンが正面対決 勝敗は…これは嘘ニュースです

戻す 縮小 米・レキシコン社開発の「ムーア」

 時速580キロの球を投げるピッチングマシンと、超高速度物体認識機能を備えたバッティングマシンが正面対決――。19日午後、世界最強を誇る投打マシンが優劣を競うイベントが東京ドームで行われた。日米の技術の粋を極めた両者の勝敗はいかに。

 19日、東京ドームで行われた巨人・ヤクルト戦に先立ち、エキシビジョンマッチとして対決が行われた。ピッチングマシン「ムーア」は米・レキシコン社が開発。元々はロケット砲を発射するために開発された軍事技術を民生用ピッチングマシンに転用したもので、球速は発射から0.1秒で最高時速580キロ(マッハ0.3)に達する。

 これに対するバッティングマシン「グリーンウェル」は、千葉電波大学の研究チームが開発。高速度カメラや赤外線カメラなど6基のセンサーカメラを備えており、ピッチングマシンが投球を始める瞬間の発熱を探知、瞬間的な弾道計算で直球、変化球全ての投球に瞬時に対応する。また過去には、日ハムのダルビッシュ有投手がランダムに投げた10球のうち9球(内ホームラン7本)をはじき返し、同投手を3日間自宅に引きこもらせた実績を持つ。

 対決のルールはムーアが3球を全てストレートで投球。このうち1本でも打ち返せればグリーンウェルの勝利とする。

 注目の1球目。ムーアのアームがゆっくりと回転すると、「タン!」という乾いた音とともにボールはキャッチングマシンのミットへ。ボールは肉眼ではとらえられず、オーロラビジョンに映ったスロー映像で何とかその球跡が見えるほどだ。1球目、グリーンウェルのバットは全く動きを見せなかった。

 2球目。ムーアのアームは先ほどと同じようにゆっくり回転すると、発射された豪速球は再びキャッチャーミットに収まった。スロー映像ではグリーンウェルのバットが球に反応して回転しているが、ボール1つ分上部で空を切った。だが1球目と異なりバットは反応。あと10センチ下にあれば確実に打ち返せていただろう。

 最後の3球目。アームが回転するとまもなく硬質で大きな金属音がドーム全体に響き渡った。沸き立つ観客席。オーロラビジョンに映し出されたのは、白煙を上げて延々とバットを回し続けるグリーンウェルだった。判定はデッドボール。千葉電波大チームが駆けつけ修復を試みたが、復旧は不可能と判断したため、セコンドがタオルを投入。注目の対決はムーアのTKO勝ちに終わった。

 なお、その後行われた巨人・ヤクルト戦は、その場でレキシコン社と3年・8億円で契約した巨人が3-2でヤクルトを下した。

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