先週久しぶりにロサンゼルスへ行っていました。 自由時間がかなりあったので、学生(ビジネススクール)時代の友人たちと久しぶりにゆっくりたくさん話したな~と。
昨今、ハーバード卒女性のかなりの割合が専業主婦、という話があります。 私の元クラスメートたちも、ハーバード卒ではないものの、米国の(一応)上位ビジネススクール卒でありながら、女性の専業主婦率はとても高いです。
そんなに高学歴で専業主婦!?と一瞬思ってしまいがちですが、友人たちと話していて、日本でいわれるところの「主婦」のイメージと、アメリカの「高学歴主婦」の仕事や生活は相当違うことに気づいたので、メモ代わりに書きます。
彼女たちの仕事(Job Description)について
1)肉体労働系のいわゆる「家事」はほとんどしていない
庭仕事や、家の掃除、洗濯など、いわゆる日本人の感覚でいう肉体労働系の「家事」というのは、彼女たちは基本的にはノータッチ。 庭ならば、週一度庭師が来てきれいにしてくれるし、掃除や洗濯は、やっぱり週一度くるメイドさんに任せています。
毎日の料理については、さすがに自分でやりますが、超シンプル。 日本人の一般的な家庭のような豪華家庭料理は、特別な時のみです。 基本、粗食。 サラダと冷凍ピザとか普通。 なので、手間がほとんどかからない。後片付けはデイッシュウオッシャーにおまかせ。
2)メインの仕事は家庭・家計のマネージメントと長短期の教育戦略立案・実行
では、アメリカの高学歴主婦のメインの仕事は何か、というと、大きく分けて2つ。
* 家庭と家計のマネージメント
* 子供の長短期教育戦略策定と実行
このあたりは、日本の主婦も同じですね。
彼女たちの家庭の場合、上記の庭師やメイドさんに加え、ベビーシッターやファイナンシャルプランナー、税理士さんなど、各種専門家を選んで雇い、実際に仕事を進めていくマネージメント能力も大切になります。
自分が実際に手を動かすのではなく、各分野のプロを選んで任せ、仕事の進捗管理をする、というのが主な仕事。
子どもの教育戦略は、基本的に彼女たちが情報収集して大きな枠組みを考えて、パートナーと相談しながら方向性を決めていくことが多いです。
情報収集、情報交換のための社交も大事ですから、住む場所の選定、どんな社交サークルに属すのか、も相当考え抜かれています。重要で価値の高い情報ほど、口コミでしか入ってこないので、彼女たちの人脈(ママ友ネットワーク)はすごい。(参考過去記事:ロサンゼルスの私立小学校)
3)家の外では実績と人脈獲得につながるボランテイア活動
家庭の外で何をしているかというと、各種ボランティアやチャリティー活動です。 それも、頼まれ仕事を自分が体を動かして奉仕するものではなくて、できるだけリーダーシップを発揮できるもの=たくさんの人を動かす立場 を選んでいます。
アメリカでは、学校のPTAやチャリティのファンドレイジング(募金集め)などのボランティア活動の社会的ステイタスがとても高く、社会的地位が高い層ほど、積極的に参加します。 政治家の後援活動、プライベートスクールのPTAなど、世間的に評価が高いものほど、リーダーシップポジションにつくハードルも高く、主要メンバーのインナーサークルに入りこめていない限り、実際にリーダーシップの職にはつけません。
現在自分は給料をもらう仕事をしていなくても、積極的にそういった活動に参加することによって、自分の仕事能力が他人(=地元の政財界の有力者)の目に留まりますし、リーダーシップをとるポジションはきちんと仕事実績として評価されます。
結果、子どもの手が離れてから、いざ社会復帰しようとなった時に、まったくゼロベースで仕事のインタビューに望むことがなくなります。 自然に、うちで働かない?というオファーを受けることも多いみたい。
実際、10年以上のブランクがあっても、いきなり企業のデイレクターポジション(部長職)くらいで復帰、というのも珍しくありません。
同じ主婦として、子育て中心ですごすのでも、ずいぶん戦略的に時間を使っているのがわかります。 ハーバード卒主婦なんてもったいない、と一言で言い切れないアメリカらしい奥深さだと思います。
(補足)私は、料理、掃除も普通に自分でこなすワーキングマザーです。メイドさんに丸投げして優雅な生活を送るのが夢です。。。
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