boobyn's blog

前略、セチガラ山より。おいしいもの、いろいろと。すべて俺フィルター

批判記事について

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書いた記事については、なるべく忘れようとしています。自分の思い入れよりも、人に覚えてもらえる記事や企画をやりたいので、ノウハウや経験以外に記事を覚えていても、過去の記事に引きずられるばかりで役にたったことがないからです。

ただ、批判記事は書く前も書いた後もずっと心に残ってしまいます。批判記事はいつも不安だし怖いからです。常に「大丈夫だろうか?」と不安に縛られるし、ひっそりと人に恨まれることも多いので、反応のない批判記事がもっとも怖いのです。

 

それでもやらなきゃいけないときがあります。昨年、かなりドキドキしながら書いたのは以下。

慣れないお金の話で慎重にやりました。といっても時間はかけられませんから、事実を積み上げていきながら被害者にとって有益な情報になること、たくさんいる読者に対して面白いと思わせる形をとることを意識して、双方のバランスのとり方に気をつかいました。

結果、反応がよかったのでその点は良かったと思います。自分の中で課題が見えた記事でもあり、満足できなかったのも事実。次、こういうものを手がける機会があれば、もう少し幅と厚みのあるスルメのような内容にしたいところです。

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面白かったのは、このネタを取り上げる媒体がおとなしめだったことです。しばらくしてから、あれは大したことじゃないといったニュアンスの風の噂が、あちこちから飛んできました。本当にそう思うならそれを書くべきだと思いますが、そう書かない人も多いんです。あの手の記事は、本来ならEditorの私ではなくて、記者やジャーナリストの人が追いかけるタイプのネタかなと。

お読みいただいた方はわかると思いますが、もしこれが原発の話だったら隠蔽体質云々と大騒ぎになりますよね。とはいえ原発周りは周りで、有形無形の有象無象がそれぞれの立場から信心深いネタを投じているような印象で、もう何がなんだかわからない感じになっていますので、正しい批判なのか私にはわかりませんが。

こちらも批判記事ですが、そもそもあちこちで真偽のよくわからない情報がバラバラにあったので、これは整理整頓してあげないと誰にとってもハッピーではない、と思ってやりました。複数ある情報をまとめ上げていくやり方は、Editor的な組み立て方です。

上記の記事はいずれも、こちらに全く怒りが伴っていません。批判記事は怒って書いても弱気で書いても、そうなりません。そいつは罵声記事になるか、読者に届かない記事になるだけです。

 

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最後はマイクロソフト。発表イベントものの記事なので、他の媒体の記事と是非比べて欲しいと思います。自分は記者だ!と思って書きました。

マイクロソフトの記事ということもあって、当初からメジャーな媒体はおとなしくなるだろうと想像していました。実は「書かない」という選択肢もありましたが、この手の取材が続いたこともあり、メジャーな媒体が黙っているならやらなければならないと感じました。

壇上の王様はちぐはぐで、ボタンをどんどんかけ違っていきました。それなのに、マスコミがその姿を黙ってみている侍従になっている、正直そう感じました。そして、そのことにとても腹が立ちました。マスコミが気を遣うべき相手は、やはり読者ではないでしょうか。

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侍従になる。それでいいのかもしれませんが、この時それではよくないと思いました。私は企業とメディアだけのエコシステムでも、メディアと読者だけのエコシステムでもダメな時代が今だと思っています。一方で、企業と利用者だけのエコシステムは成立すると思います。オウンドメディアというものです。

そういう時代のマスコミの役割ってなんでしょう。ちゃんと「マス」へ提供する、ちゃんと白日の下にさらして鐘を鳴らすのが役割なんじゃないでしょうか。鐘は何も批判に限りません。情報の伝達も賛辞も批判もそもそもの役割です。

人間関係では言わないことでうまくいく、ということが多々あります。多くの場合、希薄な関係か、それ以前にリレーションがうまくいっている場合でしょう。オウンドメディアが台頭しつつある今は、企業体とマスコミの関係にも変化が生じています。短期的に見れば言わないでうまくいくように感じますが、中長期的にそれってマスコミの弱体化にしかならないと思っています。

童貞みたいなことを言わせていただくと、私はまだ、マスコミに先があると思っています。おそらく、マスコミの人間は単なるメディアコンテンツ屋にもなれます。でも、それだけでない価値も提供できる世の中に必要なプレイヤーじゃないかと思っています。

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話を戻します。最初に書きましたが、批判記事はやっぱり怖いです。書いたら書いたで、アイツは嫌いだからそう書くと必ず言われます。

もしかしてそれは、日本人の「言わぬが花」のメンタリティがそう感じさせるかもしれません。何せ「言わ猿」が観光地の国ですから(言い過ぎ)。

それもこれも、処世術としては大きく頷くところです。私を含め、マスコミにはゴミって呼ばれるどうしよーもねぇクズみたいな人間ばかりですw。だから言えることがあるとも思います。それぞれ御旗をなんとするか、はありますが、旗たたんじゃおしめーよ! ってのが本音です。 

毎度えらそーでごめんなさい。とりあえず。もう少し頑張ります。