Is that a good idea to call "NISA"? - NISA（ニーサ）…本当に浸透させるなら、もっと直接訴えるネーミングはないものだろうか？
ニュースを見て、率直に「なんと言う安易なネーミングなのか」とがっかりしました。そもそも「日本版ISA」という言い方ですら、「わかりにくい」のに、それにNipponのNを足しただけ。NISAをJISAにしなかったのは、そもそも本場U.K.のISAにJISAという制度（Junior ISAs）があるから紛らわしい、のが理由であったであろうことは容易に想像がつきます。それにしても、これから本気で普及を図ろうとする制度ならば、正式名称はともかく、愛称についてはもっとダイレクトなネーミングにすることはできなかったのか、と思います。
象徴的だったのが、たまたま見ていたNHKのNews Webでの特集。専門家のFPの方まで登場しているのに、「株は怖いから」「バブル」「お金持ちのための制度」「貯金に限る」見たいなトーンに対して、この制度の本質的な必要性が何一つ具体的に説明されないままのように見えました。
ちなみに、この制度の本質は、個人的には「アベノミクスの物価上昇から大切な資産を守るための、一般庶民のための口座」だと思っています。少なくとも、
- 本当に2％の物価上昇が実現するなら、現行の円普通預金はおろか定期預金の利率でさえもそれを上回るリターンは期待できない。つまり実質的に銀行に預けておくだけでは損をする。
- ISAの非課税率は20％＋復興所得税。通常の銀行預金の利子にはこの税率がかかっている。でもこの口座にはかからない。この20％という率は「とてつもなく大きい」。
- ISAで取り扱えるのは、現物の株式だけではない。投資信託を通じて、債券にも投資できる。 元本が保証されないというリスクはあるが、インデックス投信等でドルコスト平均法を使用した投資をすれば、「銀行に預けっぱなしのリスク」との比較対象には十分になる。
- ・・・
まだいろいろ書けそうな気もしますが、いずれにしても重要なのは、この制度は「お金持ちでない、一般庶民向けのマネー防衛のために駆使すべきツールである」ということ。Newsの中でFP氏が、「皆さんがISAを通じて株を買うことで日本の企業が元気に・・・」みたいなことをおっしゃっていましたが、確かにそれも重要。でもそんな高尚なことよりもまずその前に、「みなさんの大切なお金をきちんと働かせるために必要な制度です。」という説明がくるべきなのではないか、と感じました。
”NISA”じゃなにもわからないし、そもそも株が怖い、投資はお金持ちのもの、という意見が出てくることに対してきちんとした説明ができないのでは、
「この制度も結局知っている人だけが使う、別にお金持ちでもそうじゃなくても」→「きちんとメリットを享受して利殖できる」→「知らない人から見ると、お金持ちだけがうまく使える制度のように見えてしまう」
という構図になってしまいそう。黒木瞳さんだから使えるんだよね、この仕組み。みたいなことに・・・
お金に関する教育、やっぱり学校で教えてもらえたらどんなに良かったか、と今更思います。U.K.でISAが普及している理由、それこそが若年層に対する投資教育の成果、なのではないでしょうか？
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