電車追突 雪挟まりブレーキ効かなかったか2月16日 4時54分
東急東横線の駅で起きた電車の追突事故で、追突した電車は非常ブレーキが作動していたものの、車輪が回転し続けていたことが分かり、東急電鉄はブレーキパッドと車輪の間に雪が挟まり、ブレーキが効かなかったとみて調査を進めています。
15日未明、川崎市にある東急東横線の元住吉駅で、止まっていた電車に後続の電車が追突し乗客19人がけがをした事故で、東急電鉄は15日夜、事故の直前、追突した電車が時速およそ80キロで走行し、運転士が600メートルほど手前で非常ブレーキをかけていたことを明らかにしました。
この電車のブレーキは、車輪の横にブレーキパッドで押し当てて車輪の回転を止める仕組みで、時速80キロ程度で走行していた場合、通常は200メートルほどで停止できるということです。
車両に残された記録を会社が調べたところ、運転士の操作のあとブレーキパッドには十分な力が伝わり、非常ブレーキが正常に作動していたものの車輪は止まらず、回転が続いていたことが分かったということです。
また、東横線では、大雪となった14日から15日にかけて、電車が本来の位置で停止しきれないオーバーランがほかにも10件ほど起きていたということです。
東急電鉄は、ブレーキパッドと車輪の間に雪が挟まって滑り、ブレーキが効かない状態だったとみて、さらに調査を進めることにしています。
詳しい状況明らかに
東急東横線で起きた追突事故の詳しい状況が、無線の交信記録などから明らかになってきました。
東急電鉄によりますと、追突した電車は乗客およそ60人を乗せて、15日午前0時28分、川崎市中原区の武蔵小杉駅を出発しました。その18秒後、隣の元住吉駅では、前を走っていた電車が停止位置からおよそ30メートルオーバーランしたことを運輸司令所に報告しました。
司令所はいったん後続の電車を止めて対応する必要があると判断し、午前0時29分、駅に向かっていた電車に直ちに停止するよう無線で指示を出します。
この時、電車は駅の600メートルほど手前を時速およそ80キロで走っていました。
運転士はすぐに非常ブレーキを作動させましたが、電車は止まらず、およそ1分後の午前0時30分、止まっていた電車に時速およそ40キロで追突しました。
無線のやり取りの録音には、「なかなかブレーキが効かない」という運転士の声が残されているということです。
東横線には衝突事故を防ぐATC=自動列車制御装置が導入されています。
ATCは、前の列車に近づくと自動的にブレーキを作動させて次第に電車の速度を落とし、停止させる仕組みとなっていますが、今回は、ATCでブレーキがかかる前に運転士が非常ブレーキを作動させたため徐々に速度を落とす効果は発揮されず、結果として衝突の防止に役立ちませんでした。
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