事故・障害の発生と改善の取り組み
事故や障害を分析し、これからの安全につなげていきます。
不測の事故や障害が発生した場合には、原因を徹底的に分析し、根本的な解決策を講じています。
事故・障害の発生状況
列車運行の安全性を高めるため、保安設備の設置や保守点検作業の質の向上などを図っていますが、不測の事故や障害が発生することがあります。東急線全線で2012年度に発生した事故・障害などの件数は50件、運転を見合わせた時間の合計は44時間42分でした。
事故・障害などの件数50件のうち4件は台風17号の接近など自然災害によるものでした。人身事故等については2011年度の46件から2012年度は43件に減少しました。今後もホーム転落の防止など、人身事故防止のための対策を進めます。
また、運転を見合わせた時間については、44時間42分と2011年度の53時間36分から減少しています。
2012年度に発生した事故・障害などの件数、および運転を見合わせた時間の内訳は下記の通りです。
■原因別 事故・障害などの件数、運転を見合わせた時間※1
理由 | 件数 | 時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
自然災害など※2 | 4 | (3) | 8時間 | 45分 | (11時間 | 9分) |
設備の故障など | 3 | (4) | 1時間 | 31分 | (5時間 | 54分) |
人身事故・列車接触など | 43 | (46) | 34時間 | 26分 | (36時間 | 33分) |
合計 | 50 | (53) | 44時間 | 42分 | (53時間 | 36分) |
()内は前年実績
※1 運転を見合わせた時間とは、事故・障害などの直接の原因となった列車が、動き出すまでに要した時間を合計したものです。
※2 「自然災害など」には国への届け出を要さないものについても含まれています。
■原因別 事故・障害などの発生状況
■路線別 事故・障害などの件数、運転を見合わせた時間※1
路線 | 件数(件) | 時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
東横線 | 16 | (13) | 12時間 | 21分 | (8時間 | 52分) |
目黒線 | 1 | (2) | 54分 | (1時間 | 1分) | |
田園都市線 | 20 | (24) | 16時間 | 30分 | (21時間 | 11分) |
大井町線 | 5 | (4) | 2時間 | 3分 | (2時間 | 35分) |
池上線 | 2 | (4) | 2時間 | 51分 | (3時間 | 12分) |
東急多摩川線 | 2 | (3) | 1時間 | 18分 | (3時間 | 22分) |
世田谷線 | 0 | (1) | 0分 | (2時間 | 51分) | |
全線※2 | 4 | (2) | 8時間 | 45分 | (10時間 | 32分) |
合計 | 50 | (53) | 44時間 | 42分 | (53時間 | 36分) |
()内は前年実績
※1 運転を見合わせた時間とは、事故・障害などの直接の原因となった列車が、動き出すまでに要した時間を合計したものです。
※2 台風の影響による路線を特定できない障害は、全線として分類しています。
■路線別 事故・障害などの件数
※ 台風の影響による路線を特定できない障害は、全線として分類しています。
■路線別 事故・障害などにより運転を見合わせた時間
※ 台風の影響による路線を特定できない障害は、全線として分類しています。
■鉄道運転事故、輸送障害、インシデントの件数
事故種別 | 鉄道 | 軌道 | 全線※4 | 合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
鉄道運転事故※1 | 19 | (21) | 0 | (0) | 19 | (21) | ||
輸送障害※2 | 26 | (29) | 0 | (1) | 4 | (2) | 30 | (32) |
インシデント※3 | 1 | (0) | 0 | (0) | 1 | (0) | ||
合計 | 46 | (50) | 0 | (1) | 4 | (2) | 50 | (53) |
()内は前年実績
※1 鉄道運転事故:国土交通省令に定められた、踏切障害事故、鉄道人身障害事故等のことをいいます。
※2 輸送障害:列車に運休または30分以上の遅延が生じたものをいいます。
※3 インシデント:鉄道運転事故が発生するおそれがあった事例をいいます。
※4 台風の影響による路線を特定できない障害は、全線として分類しています。
大きな事故になる可能性のあった事例
発生した事象のうち大きな事故になる可能性のあった事例を報告します。
今後の安全確保につなげるため、事故の分析や情報共有を進め、再発防止策を推進します。
事例
事例:東急多摩川線 試運転列車の誤停車ならびに踏切進入
発生時期:2013年2月5日(火)11時44分
発生場所:東急多摩川線鵜の木駅ならびに鵜の木1号踏切
発生事象
鵜の木駅下り線ホームに停車しようとした試運転列車が、所定停止位置を越えて、隣接する踏切の遮断棹が完全に降りる前に進入しました。
原因
駅でのオーバーランを防止するための定位置停止支援装置に不具合が発生し、手動でブレーキをかけたが間に合わず停止位置をオーバーしました。
影響
運転支障時分は10分でした。
対策内容
装置故障時に、自動的にブレーキがかかり、列車を止めるシステムへ改修しました。