フランスで1月30日から2月2日まで行われていた、ヨーロッパ最大級のマンガフェスティバル「第41回アングレーム国際漫画祭」について、あらためて
 外務省も、日本からの参加ブースと、展示しようとしていた漫画パネルを、現地大使館が撮影したもの、として持ってきてくれました。韓国の展示も同様です。皆さんからネットで情報提供いただいたものもあわせて、じっくりとご覧ください。
 日本から参加された方々は、民間の草の根ネットワークで、政府主導で、莫大な予算をつぎ込んだ韓国とくらべて、プロとアマかもしれません。
 しかし、プロの作品だからと言って、韓国の作品は、アーテイーでしょうか?いくつかの絵はあまりに露骨にプロパガンダ、それも日本を侮辱する扇動的なものに見えないでしょうか?

 今回は、2014年が第一次世界大戦勃発100年目であることから、「漫画、世界への見方」というテーマで、大人を対象に、戦争や政治風刺、女性への暴力と男女の不平等など、社会問題として重要なテーマを訴える趣旨の企画展が行われたとのことです。
 2013年5月頃から、今回もこの漫画祭に来仏し、記者会見まで行った韓国のチョ女性家族庁長官は、早々と、メディアに対して「従軍慰安婦」をテーマにした漫画を政府が募って作成し、出展する」と述べており、実際に60もの作品を出品・展示しました。

 初日だけで約600人が韓国ブースを見学したそうで、主催者によると、見学者のなかには、「この話は知らなかった。悲劇的な話ですね」と述べ、韓国漫画作品の表現を信じきっていた人もみられたといいます。一方で、「漫画祭を政治に利用しないでほしい」「漫画は楽しむもので議論するためのものではない」と文化交流の場が政治論争の舞台になったことへの疑問や批判の声も聞かれます。

1年近くかけて準備していたとみられる韓国側の「従軍慰安婦」の展示は、まさに韓国政府の主導で企画されたものです。
 趙允旋(チョ・ユンソン)女性家族庁長官は、勿論現地入りしてアピールを続けました。「慰安婦についての間違った歴史観を払拭」するための、つまり韓国側の主張を誤りとする立場の市民団体「論破プロジェクト」の出展は拒否され、韓国側の出展だけが認められた事実を、地元紙は詳しく報道しました。

フランスの日刊紙リベラシオンの記事「芸術かプロパガンダか? (De l'art ou de la propagande ?)」によれば、漫画祭組織委員長のフランク・ボンドは、韓国のブースの入口に掲示されたポスターの「私が証拠です (j’en suis la preuve)」(写真20)との表記を問題視し、この部分に白い紙を貼って隠す処置をとりました。

 韓国政府の動きに対して、日本は、政府のこれまでの取り組みについて、主催者やフランスの大手メディアに説明し、会場では、数千部の資料を配布しました。(何部持っていってもらえたかは不明)
 
 菅官房長官は、「韓国政府が主導する慰安婦関連の展示が行われることによって、フェスティバルの趣旨が大きく損なわれることを強く懸念している」、「民間が開催をし、漫画を通じた国際的な文化交流の促進、相互理解、友好親善、このようなフェスティバルの趣旨にそぐわない状況が発生することは、極めて残念」と述べておられます。

 今日は、参議院予算理事として、一日、安倍総理のまん前に座っておりましたので、終了後に韓国側のいくつかの漫画をお見せしたところ、「これはひどいね」と呆れていらっしゃいました。

 日本側、論破プロジェクトの「慰安婦の真実」ブースは、NextDoor Publishers(ネクストドアー出版)という出版社からの出展として、アングレーム中心部にある「アジア館」に小さなブースを構える予定だったそうです。

 しかし開催前日に、漫画祭のアジア担当実行委員であるニコラ・フィネと論破プロジェクト関係者の間で論争となった結果、展示は拒否されました。
 主催者側によると、「彼ら(論破プロジェクト)は、政治活動を禁ずるこの私有施設で許可を得ず記者会見を行ない、主催者側の意向を無視して文化を語る場で政治活動を始め、その政治宣伝の内容が「歴史的事実の否定を禁止するフランスの法律」に抵触している、と忠告したのにやめなかった。彼らはルールと法を破った」ということになるのだそうです。

、展示ブースからは、ふたつの日本国旗の間に「慰安婦の真実 -どうやって作り話が事実になったか-」(写真2)とフランス語と英語の二カ国語で併記された横断幕や、展示作品、慰安婦についての漫画書籍「The J Facts」のフランス語訳版が撤去されました。撤去された展示作品は、下のとおり。

 外務省が配布する「日本がいかにして謝罪等を行ってきたか」、の説明だけでは、韓国の展示漫画にある、「ゼロ戦から韓国人の慰安婦が爆弾のように落とされる画(写真6)」ようなヴィジュアルインパクトの強いものに対する、有効な反論にはなりえないでしょう。

フランスの法律が政治宣伝の内容が「歴史的事実の否定」=ネガショニスト、を禁止していること。特に、「韓国側が流布しているようなら従軍慰安婦問題はない」という主張が、主催者側に「歴史的事実の否定」と解釈されてしまっていますが、確定事実ではないことに対して、反論を述べることすら、ネガショニストとして、違法なのでしょうか。、
ナチスのマーク「ハーケンクロイツ」がいかなる話の流れの中でも、公衆の面前に表示されていたら、それだけで展示は撤去されうるのか?

 今回の撤去は主催者側が設定した自主ルールによるのか、法的な裏づけが本当にあるのか?
 「論破プロジェクトの表現の自由は、違法に侵害されていないのか?
 フランスにおいて、本件のようなケースで、法的に、表現の自由が制限されても仕方ないような内容、その
基準とは、どういうものなのか?
 フランスも法治国家ですから、フランス政府との間でぎりぎり詰める姿勢を示しておかないと、甘く見られます。

 これから開催される色々な文化祭で、韓国側の「慰安婦ストーリー」ばかりが展示・流布され、日本側の反論は展示てきない、といったことが続いていくうちに、完全に既成事実化してしまいますね。

 何人かの方から、ご指摘があった、日の丸の横のクマさんは、確かに写真に写っています。これがご指摘の主教のシンボルなのか、何らかの意味を持つのかは現段階では確認できておりません。
 一般論として、論破プロジェクトのような、多くの団体のゆるやかな協力ということになると、宗教団体や政治団体も入ってくるでしょう。
 その善し悪しをここで申し上げているのではありません。

 日本の場合、反日は、国外だけでなく、国内にもありますので、揚げ足をとられないために、「民間団体」をどのような形にするのが理想的なのか、どうしたら、文句の言えない形で十分な資金を集め、プロフェッショナルな漫画やアニメや映画作品を創って、日本の主張を上手に表現できるのか、私達も考えていますが、ご意見あったらお寄せください! 

撤去された後の日本側のブース(写真1)
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(写真2)
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旗の下の漫画(写真3)
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旗の下の漫画(写真4)
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旗の下の漫画(写真5)
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韓国側
ゼロ戦から韓国人の慰安婦が爆弾のように落とされる画(写真6)
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(写真7)
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(写真8)
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(写真9)
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(写真10)
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(写真11)
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(写真12)
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(写真13)
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(写真14)
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(写真15)
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(写真16)
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(写真17)
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(写真18)
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(写真19)
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消されている部分は「私が証拠です (j’en suis la preuve)」と記載されていました。(写真20)
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