2014年2月14日19時12分
刑事事件の取り調べの録音・録画(可視化)をめぐり、日本弁護士連合会(日弁連)は14日、対象から警察の取り調べを暫定的に外し、検察の取り調べを先行させる案を示した。捜査機関側の慎重姿勢で、「法制化が前に進まない」との危機感が背景にある。ただ警察の取り調べは過去に数々の冤罪(えんざい)を生んでいるだけに、論議を呼びそうだ。
大阪地検の証拠改ざん事件を受けて設置された法制審議会(法相の諮問機関)の「新時代の刑事司法制度特別部会」(部会長、本田勝彦・日本たばこ産業顧問)で提案された。2011年6月から議論を始め、大阪地検特捜部に逮捕され、無罪が確定した村木厚子・厚生労働事務次官、痴漢事件裁判を描いた映画を監督した周防正行さんらも委員となっている。
日弁連は「全事件で、警察と検察の取り調べの全過程の可視化を」と訴えてきた。だが議論開始から3年近くが過ぎ、可視化に強く抵抗する警察への義務化を目指しても議論が長引くだけと判断。従来の法務省案が、可視化を刑事裁判の2%に過ぎない裁判員裁判の対象事件に絞ったのをほぼ全事件に広げ、裁判員裁判の事件以外は警察の取り調べを外す妥協案を示した。
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朝日新聞社会部
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