韓国NSC事務局長に外交官が内定した理由

韓国NSC事務局長に外交官が内定した理由

2014年02月04日11時28分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  朴槿恵(パク・クネ)大統領が3日、国家安全保障会議(NSC)の事務局長兼青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安保室第1次長に外交官を選んだ。

  NSC首脳部は現在、軍出身で固めている。金章洙(キム・ジャンス)国家安保室長がNSC常任委員長を兼ね、南在俊(ナム・ジェジュン)国家情報院長、金寛鎮(キム・クァンジン)国防部長官らが当然、職常任委員として参加する。これに伴いNSCを単純な安保協議体ではない外交・統一・国防を1つにまとめるグランド戦略(Grand Strategy)を立てるコントロールタワーにしなければならないという指摘が提起されてきた。

  金奎顕(キム・ギュヒョン)外交部第1次官を、空席だったNSC事務局長に内定した今回の人選は、そうした要求に応えた面が強い。

  軍人出身中心のラインは北朝鮮の挑発威嚇に対応するには効率的だが、韓半島(朝鮮半島)の周辺強国との外交関係や統一時代に備えて大きな下絵を描くには不足する可能性がある。金奎顕次官は外交部北米局審議官と駐米大使館公使を経た代表的な米国通だ。尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官の京畿(キョンギ)高校の後輩で、2002~2004年には在米大使館で一緒に勤めた。

  李明博(イ・ミョンバク)政権で外交部第2次官をつとめたキム・ソンハン高麗(コリョ)大国際大学院教授は「北朝鮮問題など韓国の安保政策は米国を外しては説明できないので、米国通がNSC事務局長の役割を果たすのが自然だ」として「金氏の実務経験が任務遂行に多いに役立つだろう」と話した。米国だけでなく日本・中国・ロシアなど周辺国との協力や摩擦解消のためにも外交官として政府間交渉を受け持ってきた経験が役に立つというのが青瓦台内外の評価だ。

  金次官がすでに朴槿恵政権の外交政策をよく理解していることも選定の背景にある。チョン・ポングン国立外交院教授は「現職次官であるだけに、韓半島信頼プロセス、東北アジア平和協力構想、ユーラシアイニシアチブなど朴槿恵政権の外交政策の大きな枠組みを理解している」として「青瓦台としては現政権のシステムをよく知っている人が役割を受け持つのが良いと判断したのだろう」と分析した。

  金次官とともに国家安保室安保戦略秘書官に千海成(チョン・ヘソン)統一部統一政策室長が抜擢され、外交部(金奎顕)・統一部(千海成)・国防部がNSCで等しく役割を受け持つことになった。たびたび食い違いが出ていた外交部・統一部・国防部の三角協力と疎通強化の側面を考慮したようだという分析だ。

  千室長は金大中(キム・デジュン)政権時に外交安保首席室行政官、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時にNSC政策調整室政策担当官とつとめた経験がある。統一政策専門家と外交安保部署間の疎通窓口の役割だけでなく長期的な統一戦略を立てる役としても適切だという評価が出ている。

  実務陣容を備えたNSCの役割は一層強化すると見られる。NSCの常設化は、北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)処刑で韓半島情勢の不安定性が高まった昨年12月16日に朴大統領が直接指示してなされた措置だ。朴大統領が先月6日の新年構想で「韓半島統一時代の基盤を構築していく」と強調しただけに、総合的な外交安保戦略を立てるためにはNSCの役割強化が必須だ。
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