ダイオウグソクムシ:絶食1869日…深海生物ついに死ぬ

毎日新聞 2014年02月14日 20時26分(最終更新 02月14日 20時27分)

死んだダイオウグソクムシNo.1=三重県の鳥羽水族館で2014年1月9日、永野航太撮影
死んだダイオウグソクムシNo.1=三重県の鳥羽水族館で2014年1月9日、永野航太撮影

 三重県鳥羽市の鳥羽水族館は14日、5年1カ月にわたって絶食を続け話題を集めた深海生物「ダイオウグソクムシ」の「No.1」(体長29センチ)が死んだと発表した。午後5時すぎ、月1回の餌やりを試みた際に死を確認した。絶食期間は1869日。解剖したが死因は不明で、水族館は「餓死かどうかは分からない」としている。

 水族館によると、14日朝に飼育担当者が観察した時は、動きが鈍っていた。解剖したところ、胃は空で、きれいな状態だったという。

 「No.1」は2007年9月に入館。09年1月2日に50グラムのアジを食べて以降は、月に1回与えられる餌に見向きもしなくなった。何も食べていないのに昨年10月には、体重が入館時(1040グラム)より125グラム増えて1165グラムになるなど生態は謎に包まれている。

 一昨年の秋以降、その絶食ぶりが話題となり、餌やりの様子を生中継したインターネットの大手動画サイトにアクセスが殺到するなど人気を集めていた。No.1の死により、同水族館で飼育中のダイオウグソクムシは8匹になった。「No.5」という個体が12年末から絶食しているという。

 広報担当者は「絶食と死の関係は全く分からない。最後まで餌を食べさせることができず残念だ」と話した。【新井敦】

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