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「35歳限界説」は崩壊? 転職の新たな流れとは〈AERA〉

dot. 2月11日(火)16時13分配信

 転職市場で長く言われてきた「35歳限界説」。35歳を過ぎれば、転職の選択肢は一気に狭まるという「定説」が崩れつつある。人材サービス大手インテリジェンスの調査では、転職成功者に占める35歳以上の割合がこの5年で一気に2倍以上になった。一方で29歳以下は低迷。転職者の平均年齢は男性で31.9歳まで上昇してきている。

 アエラは1月下旬、国内の主要200社にアンケートを行い、114社から回答を得た。そこから人材採用に対する企業の姿勢の変化が明らかになってきた。

 特徴的なのは中途採用を増やす理由だ。「事業領域の拡大・変化」という理由をあげる企業が最も多く、「即戦力になる人材が必要」「ダイバーシティー推進」などが続いた。インテリジェンスHITO総合研究所主席研究員の須東朋広氏は、2008 年のリーマン・ショックを境に「35 歳限界説」が有名無実化したと指摘する。

「グローバルで見たときに、衰退産業と成長産業の色分けがはっきりし、一部の企業では事業領域の転換を迫られるようになった。一方で新興国市場などを視野に入れると、有能な社員が1人いれば、個人の力で大きく業績を動かせる。そんな環境下で必要なのは、一定のキャリアを積んできた即戦力。そういう人材は結果として、40代前後に多かったのです」

 アンケートでも、三菱商事は11年から「公募でのキャリア採用を本格的に開始」したと答えている。

「事業を取り巻く環境の変化、ビジネスモデルや事業形態の変化に対応するためです。キャリア採用者は既にそれぞれの経験や能力を生かして活躍している。今後も、積極採用を考えている」(三菱商事広報)

 日本IBMも、35歳以上の人材を積極的に採用している。さらに経済産業省も、スキルと経験を持った40、50代の人材が成長産業に転職できるよう、人材紹介会社などへの支援を始めている。同省産業人材政策室の橋本泰輔氏はこう話す。

「現実には40、50代の人材を活用しきれていない企業もある。そうした人材を、本人が活躍しやすい場へと転職できる仕組みを作る必要がある。それが、個人と企業双方のさらなる成長につながると考えています」

※AERA 2014年2月10日号より抜粋

最終更新:2月13日(木)18時25分

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