フィギュアスケート男子の高橋大輔(関大大学院)は逆境に強い男だ。
2010年バンクーバー五輪。プレシーズンに右膝靱帯断裂の大けが、松葉づえをつく状態から復活を遂げ、日本男子初となる五輪メダル(銅)を獲得した。
今季も五輪代表争いに出遅れ、なかなか4回転ジャンプの調子が上がらないなか、昨年11月のNHK杯で鮮やかな優勝。いつも「高橋はもうダメか」とささやかれる苦境から不屈の闘志でよみがえる。
■負傷の右膝、なお回復途上
その後も試練が待ち構えていた。NHK杯の優勝後の練習中に負傷した右膝だ。昨年末の全日本選手権ではぼろぼろの状態で4回転ジャンプは失敗。演技中の負傷で流血する痛々しい演技となった。
あれから1カ月半がたち、回復はなお途上のようだ。「痛みはほぼないけれど、百パーセントとはいえない。水がたまったり、可動域があまり広がらなかったり、今まで通りの調整はできなかった」。モスクワで約2週間の合宿を張ったが、追い込んだ練習は難しかった。ソチ入り後も、4回転ジャンプは両足着氷を繰り返している。
そして、ショートプログラム(SP)の使用曲「ヴァイオリンのためのソナチネ」が、作曲者とは別人の作品だった問題。「背景とか全く知らずにこの曲がいいと思って選んだので、作った人が誰であろうと関係ない」。高橋は演技に支障はないと強調する。一方、「曲が使えなくなるのではないかという不安はあった。『(五輪目前の)このタイミングで勘弁してよ』というのはあった」と漏らす。
■自分の真実、演技にも行動にも
「トップをめざすけれど、正直厳しい」。高橋という男はいつも本音をさらけ出す。今季も何度、正直すぎる発言を聞いただろう。「ウソは苦手なので。どうせばれる。自分の真実は演技にも出るし、行動にも表れるし。すべてがそのときの僕なので、恥ずかしいと思ったことはない」
フィギュアスケート男子の高橋大輔(関大大学院)は逆境に強い男だ。
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