破壊者の母、篠田工治です。
今年に入ってから第2期、第3期とメールによるタイプ診断の募集をしました。
いろいろ紆余曲折はあったものの、つい先日全員の診断が終了しました。
そこで今回は、これまで行なってきたタイプ診断に関するデータを一部公開し、いくつか考察を加えようと思います。
まぁ、こういった情報に興味が有る方は少ないと思うし、考察をするには診断した人数がまだまだ少ない気もするんですけどね(苦笑)。
ただ、なかなか興味深い論点というか、タイプ判定に役立つヒントもいくつか見えてきたので、気にせずに進めていきます。
目次
男女比率
まずは受診者さんの男女比率からです。
性別 | 人数 | 比率 |
---|---|---|
男 | 15人 | 44% |
女 | 19人 | 56% |
これを見て思うのは以外に男性が多かったんだなぁと。
私がこれまで参加したり開催してきたエニアグラムのワークショップや講座、勉強会を見ているとかなり女性が多いと感じるのですが、男性の受診者さんは4割以上いました。
世間的に知名度の低いエニアグラムですが、占いやスピリチュアル、神秘というジャンルで括られることが多いんですよね。
そういうモノに対して男性が傾倒している姿は褒められたもんではない、そんな世間の空気を感じることがあります。
なので普段は体裁を気にしがちな男性も、対面不要なメール受診ということで食指が動いたのかもしれません。
ただ冷静に考えれば、私が男性ということを考えると、逆に女性比率の方が多いといえるかもしれません。
このあたり、匿名による受診をOKにしていることや、私の性格タイプがアレなので、あまり男性っぽくないことが関係しているのでしょう。多分(笑)。
自己申告のタイプ状況
次に受診者さんが診断を始める前に自己申告したタイプの比率を見てみましょう。
タイプ | 人数 | 比率 |
---|---|---|
タイプ1 | 2人 | 6% |
タイプ2 | 1人 | 3% |
タイプ3 | 3人 | 9% |
タイプ4 | 14人 | 42% |
タイプ5 | 3人 | 9% |
タイプ6 | 4人 | 12% |
タイプ7 | 3人 | 9% |
タイプ8 | 1人 | 3% |
タイプ9 | 2人 | 6% |
圧倒的にタイプ4が多く、タイプ2と8が少ないことが分かります。
もし受診者さん達が申告したタイプが全て正しければ。
日本という国はタイプ4だらけ、若しくは篠田はタイプ4の引き寄せ名人(?)ということになるのですが、まぁ実際はそうではありません(笑)。
タイプ2と8って人気ないんですかねぇ・・・。
実際、エニアグラム書籍に書かれているデメリット的な事例って、何故かこの2つのタイプが真っ先に出てくる気もしますし。(多分ひがみ根性)
尚、この自己申告のタイプは、受診者さんの殆どが書籍やWebの質問表(チェック表)をやった結果を伝えているとのことです。
診断結果のタイプ状況
次に実際に私が診断した受診者さんのタイプの割合を見てみましょう。
タイプ | 人数 | 比率 |
---|---|---|
タイプ1 | 1人 | 4% |
タイプ2 | 3人 | 11% |
タイプ3 | 2人 | 7% |
タイプ4 | 1人 | 4% |
タイプ5 | 1人 | 4% |
タイプ6 | 11人 | 39% |
タイプ7 | 6人 | 21% |
タイプ8 | 0人 | 0% |
タイプ9 | 3人 | 11% |
圧倒的にタイプ6、続いて7が多く、タイプ145が少ないことが分かります。
日本という国はタイプ6的な文化だと聞きますし、私もそう思っていたのですが、このデータはそれを裏付けているかもしれません。匿名OKなメール診断というのも「安心」という意味で、タイプ6さんにはいいのでしょう。
タイプ7が多いというのは、エニアグラムのワークショップや講座、勉強会などでもタイプ7さんの比率が多いと感じるので、これはこれで納得な数字です。エニアは珍しい性格分類法ですし、ある意味とても刺激的なツールですから。
タイプ8が0人というのはとても残念ですが仕方ないですねー。いや、環境によってはホントに出会えないんですよ、タイプ8さんって。
タイプ4が1人というのは私もかなり驚きの数字だったりします。
質問表(チェック表)でタイプを導き出すことの壁
このように、上記2つのデータを見比べてみると、受診者さんの事前申告と診断の結果が大きく食い違っていることが分かると思います。
つまりこれは・・・とても言いにくいのですが「せっかくエニアグラムに興味を持ったとしても、自力でタイプに辿り着ける人は多くない」ということです。
自己正当率を見てみましょう。これは事前申告のタイプと診断結果のタイプが同じだった場合を「正」、違う場合を「誤」としています。
正誤 | 人数 | 比率 |
---|---|---|
正 | 7人 | 25% |
誤 | 21人 | 75% |
とてもショッキングな数字ですね。
もちろん自分の判断に確信が持てない状態だからこそ、診断を申し込まれると思うので、そのあたりは当然考慮する必要はあります。そして言うまでもなく、私の診断が100%正しいなんてことは決してないでしょう。
これらを考慮して受診者さんのタイプ正当の比率をザックリ倍にしても、それでも50%。
これまで私は、「どの質問表(チェック表)を使ってもせいぜい3割、よくて5割くらいしかタイプは当たらない」と言ってきたのですが、今回の調査は、くしくもそれを裏付ける結果になりました。
以前の記事にも書きましたが、質問表にはどうしても自分の主観が混じってしまうのでしょうね。
自分のことをタイプ4だと思う人は・・・
次に先ほどの事前申告のタイプと診断結果のタイプのデータの組み合わせを見ていきますが、その前に。
Googleさんによるキーワード検索数の比率を見てみましょう。これは1ヶ月の間に、検索エンジンのGoogleで「エニアグラム タイプ○○」と検索された件数を表しています。
タイプ | 件数 | 比率 |
---|---|---|
タイプ1 | 170 | 6% |
タイプ2 | 140 | 5% |
タイプ3 | 140 | 5% |
タイプ4 | 720 | 25% |
タイプ5 | 480 | 16% |
タイプ6 | 320 | 11% |
タイプ7 | 390 | 13% |
タイプ8 | 170 | 6% |
タイプ9 | 390 | 13% |
エニアグラムにおいて性格タイプは9つあるのですから、本来であれば1÷9=0.11で各タイプ等しく11%ずつの比率になるはずです。
でも実際はかなりバラけた比率であり、ダントツでタイプ4の検索比率が高いことが分かります。次に多いのがタイプ5とタイプ7ですね。
もちろん「タイプ4」と検索する際は、必ずしも自分をタイプ4だと思って検索するとは限りません。
でも上述のとおり、受診者さんの事前申告の40%がタイプ4に集中していることを考えれば、このデータからは素直に「自分のことをタイプ4だと思っている人が多い」と読み取った方がいいでしょう。
では事前申告のタイプと診断結果のタイプのデータを組み合わせたものを見ていきましょう。
特筆すべきは、タイプ4と事前申告した人の中にタイプ4だった人は一人もいない、ということです。タイプ4に影響を及ぼすダイナミクスのタイプ、すなわちタイプ1235ですらなかった人がタイプが確定した11人中9人もいるんですね。
このことから、1つの仮説というか傾向が導き出せます。それは「自分のことをタイプ4だと思う人は多いが、タイプを誤認している可能性が高い」ということです。
これについては今のところ2つの理由が考えられます。
1つには、誰しも一度くらいは「自分」という存在に意識を向け、「自分は特別な人間ではないだろうか?」と考え、周囲との「違い」について思い悩むことがあるってこと。
言い方を換えれば誰しもタイプ4的な視点を持つ時期やシチュエーションがあるんですね。
そんな時こそ、人はエニアグラムのような性格分類を使って「自分とは何か」という問いの答えを見つけ出そうとするのかも知れません。
そもそもエニアグラムに興味を持つこと自体がタイプ4的な状況下に置かれている、そういう見方もできます。
もう一つはタイプ4が得意とする「情緒、感受性、芸術性、表現力」を発揮したい、発揮しなければならない状況に置かれている場合です。
具体的には音楽、ダンス、絵画など。これはタイプ診断に限らず、そういうコトに携わっている人が「自分はタイプ4だ」と主張するのを実際に何人も見てきました。
繰り返しになりますが願望や強迫感といった主観が強すぎるせいで、自分本来の持ち味が見えにくくなっているのでしょうね。
もちろんこれは「タイプ4さんが自分のタイプを自覚できない」ということではありません。タイプ診断以外では自力でタイプに辿り着けたタイプ4さんと何人もお会いしているからです。
タイプ6の人はタイプを見つけにくい
次に特筆すべきタイプとして、タイプ6にフォーカスしてみます。
私がタイプ6と診断した11人中、タイプ6と事前申告していた人はたった1人でした。1番多い申告はタイプ4で計5人です。
このデータから予想されるのは、
- タイプ6の人は自分のタイプを見つけにくい
- タイプ6の人は自分をタイプ4だと思いがち
ということです。
前者については鈴木秀子氏著「9つの性格」において「タイプ6と9が自分でタイプをみつけにくい」と書かれており、今回のデータはそれを裏付けていると言っていいでしょう。(同著によれば1番タイプに気づきやすいのはタイプ2と4らしいですが_汗)
後者については、タイプ4と6に共通する「実力者への帰属心と反抗心の葛藤」がその理由だと私は考えています。
そもそもタイプ5は自己分析を他者に任せない?
次にタイプ5にフォーカスします。
ここでもう一度Googleさんによるキーワード検索数を見てみましょう。
タイプ | 件数 | 比率 |
---|---|---|
タイプ1 | 170 | 6% |
タイプ2 | 140 | 5% |
タイプ3 | 140 | 5% |
タイプ4 | 720 | 25% |
タイプ5 | 480 | 16% |
タイプ6 | 320 | 11% |
タイプ7 | 390 | 13% |
タイプ8 | 170 | 6% |
タイプ9 | 390 | 13% |
先ほどもお伝えしたとおり、タイプ5の検索率は16%と2番目に多かったりします。なのに私がこれまで診断したタイプ5さんは1人しかいませんでした。
しかもこの方は、自ら受診を申し込んだのではなく、私がなし崩しに診断に巻き込んだというのが本当の所でして、実質0人です(爆)。
先ほどと同じく「検索数が多い=自分はそのタイプだと思っている人が多い」とするならば、この受診者さんが0というのはとても違和感があります。
ヘレンパーマー氏やエリザベスウェイゲル氏によれば、「タイプ5はエニアグラムのような体系的な性格分類ツールを好む」ので、エニアグラム人口としては少なくないと予想されるからです。
というワケで、ここで1つの仮説が浮かび上がってきます。それは「そもそもタイプ5は自己分析を他者に任せない?」ということ。
この点についてはタイプ5さんが持つ、
- プライバシーを晒すことの強い恐れ
- 他者との接触を基本的に避けようとする
- 感情を交えずに物事を冷静に分析できる
- 手間暇かけて蓄えた知識や導き出した結論については相当の自信を持っている
などの特性から、彼らにとっては他者によるタイプ診断はそもそも不要なモノかもしれません。
診断結果の受け入れ状況
次は診断結果の受け入れ状況です。
反感を買うのでホントは書かない方がいいのでしょうが、例によってリバースエニアはオープンがモットー(?)なので書いちゃいます。
受入 | 人数 | 比率 |
---|---|---|
可 | 18人 | 75% |
不可 | 6人 | 25% |
4分の1の方は診断結果に納得がいかなかったようです。この数字が多いのか少ないのか、私には分かりません。
ただ、診断を始める前に受診者さんに対して、私からは結果のゴリ押しはしないとお伝えしています。
診断自体も、メールを重ねるごとに根拠を示しながら候補をだんだん絞っていくという形を採っていて、結果をお伝えする際も少なくとも7つか8つくらいの根拠をお伝えしています。
受診者さん自身が書いた文章を根拠にしていることもあり、強く反論する方は殆どいないのですが、やっぱり受け入れられないモノは受け入れられないようです。
このあたり、逆に素直に申し出ていただけている感じなので、その方がむしろ健全なやりとりという気もします。
しかし診断結果を受け入れられない方達とのやりとりを思い返してみると、一定の共通項が見えてくるんです。
具体的には、
- 不遇な子供時代を過ごしていて、現在も影を引きずっている
- つい最近まで精神的な病状で通院していた、若しくは現在も通院している
- 中々自分のやりたいコトが見つからず、くすぶっている
などなど。
むしろこういう人こそ、ちゃんと自分のタイプを自覚した方がいいのですが、その点については別の論点になるので(ようするに長くなるので)今回は深堀りしません。(いずれみっちり取り組むつもり)
完了率
さて、今回最後の論点、診断の完了率です。これまたキワドイ内容ですね(汗)。
人数 | 比率 | |
---|---|---|
完了 | 23人 | 72% |
中断 | 9人 | 28% |
およそ3割弱の診断が中断しています。
重箱の隅をつつかないと気がすまない人であれば、これまでのデータの合計数が所々違っていたことに疑問を感じたかも知れませんが、ようするにこういうことなんです。
この中断の中身は
- 受診者さんからメールが来なくなった
- こちらから強制的に診断を中止した
の2つでして、後者はお一人だけで他は全て前者です。
昨今メールが届きにくいので、ひょっとしたら単にお互いのメールが届いていない状況なのかもしれません。でも、あらかじめそういう場合は「当サイトの問い合わせフォームから催促してください」とお伝えしているので、それが無い方は診断をご辞退されたのだと解釈しています。
中断の理由についてですが、
- 文章を沢山(1万から2万文字)書かなければならないことに嫌気が差した
- 質問が抽象的、漠然としすぎていて答えを考えるのが難しい
- 過去を振り返るのが苦手、若しくは辛すぎる
- 篠田のメールがムカつく
などが考えられますが、中断の際はワザワザ「中断します」と伝えてくれる人もいないので明確な理由は分かりません(苦笑)。
診断後のアンケートに「無料なのにここまでしっかりやってくれるとは思ってなかった」ということを書く方がいたので、ライトな感覚で申し込んだ方は濃い内容にドン引きしたのかも知れませんね。
診断中のやりとりを匿名で当サイトでシェアする、とお伝えしたことに強い抵抗を感じたのかも知れません。
いずれにせよ当方は霊視が使えるワケでもなく、占いではないので生年月日を伺うこともしていません。純粋にいただいた文章だけでタイプを診断していますから、どうしても沢山の文字数は必要です。
あとは質問の内容や投げかけ方を向上させるくらいしか、中断を減らす方法は思いつかないっすわ(汗)。
尚、診断期間という意味では、むしろ私の方がグッダグダでして、例えば2ヶ月以上診断を放置してしまうなど、何人もの受診者さんにご迷惑をお掛けしたことをお伝えしておきます。
以上でタイプ診断に関するデータのシェアとその考察を終わります。是非タイプ判定にご活用ください・・・って結構長くなっちゃいましたね(汗)。
当然このあとの流れとしては「次の募集はいつ?」ということになるのですが、それについては微妙というか、明確な答えは今は出せません。
今の診断のやり方だと手間暇と精神力を消耗しすぎるのでこれ以上無料で続けることは厳しいし、有料でもこちらの考える金額とアンケートで回答いただく金額に開きがあるからです。
まぁ、お顔を拝見できれば少しは診断が楽になるのですが、その旨ご希望される方って殆どいないんですよね(汗)。
いいかげんタイプ5考察を始めなきゃならんので、タイプ5考察が終わるまでには結論を出そうと思っています。
というワケで今回はここまで。
思うところがありましたら是非コメント、若しくはお問い合わせフォームよりご連絡ください。
それではまた。
追伸
あ、そうそう。以前タイプ診断を申し込まれた方で、メールが届いていないという方へ。
もしタイプ診断を継続したい場合はその旨お問い合わせフォームよりご連絡ください。メール以外の何らかの形で診断を再開させていただきます。
それと、上述の「こちらから強制的に診断を中止した」件は、簡単に言うと信頼関係が崩れたことが原因です。これも診断開始時に「常軌を逸したメールの場合はこちらから診断を中止する」とお伝えしてあったのでやむなくそうするに至りました。ホントは触れたくなかったけど、オープンって言った手前、お伝えすべきかと。
あと、実は現在もお二人タイプ診断を継続中なのですが、これは募集締め切りの後にご希望があったのでお請けした次第です。
篠田さん
はじめまして。
いつも興味深く拝見させてもらっています。
この濃い情報がネットで見られるのはとてもありがたいです!
さて、私もタイプ診断を申し込んだ多くの方と同じで自己診断4でしたので、思わず反応してしまいました。
(ちなみに、私の場合は会社で受けたエニアグラム研修で講師の方から4と診断されましたが、ネットとかの診断だと4以外になります…。なぜ?)
はじめ、4と6は全然違うから間違えるなんて……? と思いましたが、実は似ているところが多いのかもしれませんね。たとえば4の憂鬱と6の不安とか。日常的にうじうじしているのは、4と6くらいのものなのかも。
ただ、同じうじうじでも4はもっぱら過去のこと、現在では失ったものだったり他者から傷つけられたことで損なわれたものだったりを考え憂鬱に浸るのに対して、6は未来のことを恐れているわけですから、よく見れば違いが明確にある気がしました。
脇道にそれますが、エニアグラムって、それぞれのタイプにおける紹介のされ方が公平じゃないですよね笑。私が受けた研修では、2、6、8あたりはネガティブな面が強調されていたように思います。もう少し、全タイプのいい面を均等に打ち出せないものか……と思ってしまいます(4の芸術家と6の忠実な人だったら、やっぱり「芸術家」のほうが聞こえがいいですもんね)。これも、タイプの自己診断を誤らせる原因の一つでは……。
◆リクエストがあります!
いきなりで厚かましいのですが、リクエストがあります! 篠田さんが記事のなかで「顔が見られればいくらかタイプ診断がはかどる」とおっしゃっていましたが、もし気が向かれましたら顔相とかを含むタイプ別のよくある外見特徴……みたいな記事を書いていただければ最高にうれしいです。うれションします。
たとえば就業のための面接だったり、プレゼンテーションの場だったり、わずかな時間で相手のタイプを見抜くと目標達成の成功率がめちゃ上がる……みたいなシーンて結構あると思うんですよね。そして、相手のタイプを見抜く一つの判断基準として、タイプ別のよくある外見的特徴を知っていれば心強いなと。
タイプ別の外見的特徴は取り扱いを間違えればいろいろ面倒なことになりますし、初心者では失敗率も高そうですが……。
◆タイプ診断を申し込まれた方の習熟度について
1点、質問があるのですが、タイプ診断を申し込まれた方の、エニアグラム習熟度ってどれくらいでしたか? つまり、やはり初学者だから間違うのか、あるいは自己診断というのはエニアグラムをかなり勉強していても間違ってしまうものなのか、興味がわいてしまいまして……。
◆自己診断を謝りやすいタイプがある?
あるいは、自己診断を誤りやすいタイプというものがあるのかもしれません。今回のケースで言えば、タイプ6ということになりますね。「不安」と向き合うのをどこかで避けてしまったために、他のタイプに目を向けてしまう……とか? うーむ。
◆最後に
篠田さんの記事は、本当にいつも興味深く、かつ知的に興奮しながら拝見させてもらっています。浅学なものでエニアグラムの書籍は数冊を読んだ程度ですが、篠田さんのようにポジティブな面にもしっかりスポットライトを当てたものは見ませんでした
(リチャードリソの書籍は精神的な退行についてがっつり書かれていて、正直かなり怖かった)。
いままでの社会生活で、特に仕事ではタイプ4的な気質のためずいぶん苦しい思いをしてきましたが、エニアグラムに触れたことで、いろいろ納得することができました。一時期は心の皮をぶあつくして生きようとも思いましたが、やっぱり無理ですね。
タイプ4らしく内蔵むき出しで生きて、憂鬱を堪能し、そして本当に美しいものを手に入れたいし、自らもそうありたいと、志を新たに決意しました笑。
タイプ5考察、楽しみにしております。
暑い日が続きますが、どうぞご自愛ください。
いつか破壊者になりたい自己診断タイプ4より
自己診断タイプ4さん
コメント有難うございます。私自身の考えがあやふやでお返事するのが遅れてスミマセン。
例によって長くなりますので、早速回答させていただきます。
【6が4と誤認すること】
そもそも論として、どのタイプであっても他の全てのタイプと何がしか共通する所があります。
それはセンター、ホーナイ、親との定位(トライアングル)、ハーモニックという組み合わせで語ることができますし、例えばタイプ239などに見られる「変身癖」とか、タイプ2と5などに見られる「情報獲得へのコダワリ」など、個別の論点で語ることもできるでしょう。
その意味で、タイプ4と6は同じ「悲観的でビビットなグループ」に属しますし、4の「大いなるモノへの一体化願望」と6の「安心できる集団、基盤への帰属欲求」が混同しやすいかもしれません。
ただよくよく見てみると、タイプ6の受診者さんや長女の場合、「帰属できないのは自分が異質な存在だから」という解釈をしているみたいです。時には異質であることを良しとする言動も見られるのですが、それは対外的にうそぶいているというか表面的だと感じます。
やはり彼らの内面にあるのは拠り所が無いことに対する恐怖や不安なので、本心では自分が異質な存在であるという解釈には否定的というか自虐的な雰囲気が漂います。
これが4の場合ですと「異質だからこそ一体化できる」という肯定的な解釈になり、このあたりが180度違うワケです。
【各タイプの扱われ方について】
これはズバリ、著者や講師の個別体験やタイプ含む価値観と帰属集団の影響でしょう。ある意味「しゃーない」です(笑)。
神の視座なんてものが無い以上、人は多かれ少なかれ、自分の価値観を通したポジショントーク、ポジションアクションにならざるを得ません。
また、古今東西というスパンで考えれば、芸術家や学者という立場はどちらかといえばバカにされたり虐げられることの方が多いのでしょう。恐らく中国的な文化であればタイプ2と8のウケは悪くない気がします。かの国は家族という単位を物凄く大事にするので。
エニアグラムというツールに興味を持つ、そしてそれを教えるという立場も1つの似通った価値観、ポジションですから、タイプの好き嫌いもある程度似通ってくると考えられます。
もちろん、私も自分のタイプや価値観に即したポジショントークをしているハズですが、それでいいんです。万人に響く言葉はないので。
【外見的特徴について】
人の特徴を対面で判断する際、意識無意識を問わずに使っているのだと思います。私の場合は人相と言うよりは、むしろ受け答え時の表情の変化を見ているので、実は顔の造形は気にしてなかったりします。
顔だけでなく、声の発し方なんかも多分参考になるでしょうし、科学的には証明困難なオーラとか「気」みたいなモノで判断する人もいるのでしょう。私には無理ですが(苦笑)。
仕草、体型、口癖などの他に所持品やよく使う「色」も、その人を表す外見的特徴だと言えるでしょう。
このあたりについては、いくつかのエニア書籍に情報は載っているのですが、それを実証する手立てが今のところ無いので、それを鵜呑みにしたり、単にコピペしたりするのはどうかと思っています。
人数が集まれば大規模なアンケートとか取れるのでしょうが、その場合もタイプ判別者と誤認者をキッチリ分けられるのか?という懸念が残ります。
ある程度まとまった人数のコミュニティを作らなきゃ、外見的特徴という論点をまとめることはできないということですわ。
作ったら参加してくれますか?(笑)
いずれにせよ、タイプ判断で1番大事なのは、対象者の内面にある「根源」にどれだけ手を伸ばすことが出来るかにかかっています。そして外見的特徴はその名のとおり、外側に表れる1つの手がかり、枝葉に過ぎず、ハッキリ言えば性格タイプを判断する主軸には成り得ないと私は感じています。
しかも外見的特徴を活用する場合は注意が必要で、その外見が一時的即興的なものなのか、普遍的恒常的なものなのかをハッキリ見極める必要があります。
まぁこれは外見的特徴に限らず、ウィングや矢印の変化を常に考慮しなくてはならないエニアの宿命でもあるのですが(汗)。
そして多くの人は実際に目に見えるモノゴトの方を信用してしまうので、それが先入観となり、本質から遠ざかってしまう危険性があります。
なので「自分自身や近しい人の根源や本質を理解したい、しなければならない」という文脈においては外見的特徴に重点を置くことは避けたほうがいいと思っています。
但し、面接やプレゼン(セールス?)、マッチングといった用途であれば、外見を使ってもいいと思っています。何故ならばそれらは接触時間やアプローチ手法が限られている以上、数撃ちゃ当たるの世界であり、自分の目的を果たすことが優先される「獲得交渉」という文脈だからです。
私自身中々こういう考えになれなくて、それで結構苦労しているのですが、精度が数でカバーできるならそれに越したことはないと思います。
ただその場合でもやはり問題はあって、そういう用途の場合、人を9つに分類するのは数が多すぎる気がします。
例えばコーチングとかNLPとかセールスなどの書籍に出てくるタイプ分けは、大体3つで多くても4つなんですよね。多分、それくらいが普通の人が無理なく分類できる数なのだと思います。
日本人で1番メジャーな占いは多分血液型占いですしね(笑)。
もちろん、そこを敢えて9つに分類して精度を高めようという気概は素晴らしいと思いますが、わずか15分くらいの間に外見だけでタイプを正しく判別し、尚且つそのタイプに合わせた受け答えをする・・・。
それほどエニアに精通するだけの労力をかけるのは、逆に効率が悪いというか、目的と手段が入れ替わっているような気がします。エニア指導者になりたいのなら、もちろん話は別ですが。
というワケであくまで私個人の見解としては、
・外見的特徴は自分や継続的な人間関係において補助的な判断材料として使うのが吉
・一時的な交渉ゴトにはエニア以外の分類ツールを使った方が効率がいいのでは?
・コミュニティで人が集まればいろいろアンケートを取ってみたい
ということになります。
【タイプ診断を申し込まれた方の習熟度について】
結構バラバラです。書籍を1冊も読んだことが無い方から、某会派で講師直前の方までいらっしゃるので。
学習期間も1週間未満の人から、5年、10年とか幅広いです。
ただ、全般的には書籍やWebによる独学という方が殆どで、継続的なセミナーやワークショップでガッツリという人は少ないです。
私もそうだったのですが、時間や費用、地域的にそういう所に通うのが難しい人は多いのでしょう。
それでも書籍を20冊くらい読んできたという猛者もいたりして、知識量が私よりも多い方が数人いました。
知識量が多ければ自己正当率が高いというワケでもなくて、逆に知識量の多さがアダになって自己理解から遠ざかってる人も見受けられます。
その点からすれば、知識をインプットすることと知識を咀嚼すること、自分を客観的に見ることはそれぞれ別のタスク、課題なのだと思います。
【自己診断を誤りやすいタイプがある?】
データが少なくてハッキリしたことは言えませんが、モノゴトを一旦決めたら中々それを変更しにくいと言う意味ではやはりタイプ6と9という気がします。
現状の診断データでも実際にそういう数字がでているので。
実際にはどうなんでしょうね。ジョハリの窓の記事でも書いたとおり、願望や強迫感や現実逃避による誤解ってのは誰にでもあることでしょうし。
いずれにせよ自己診断に限って言えば、タイプによる誤認率を意識する必要性は低いと思っています。自分の根源を探り出し腑に落とす為には、ある意味「質問表の結果には自分の思い込みや主観が混じっている」「自分自身のことは実は何も分かっちゃいない」という前提に立った方がいいからです。
以上、随分長くなりましたが、ご質問への回答とさせていただきます。
何にせよ、「らしく」生きるというのはホント大事だと思います。
あなたのように、そう言える人が少しでも増えればいいなぁという想いのもと、ぼちぼち活動を続けていこうと思います。
篠田さん、初めまして。
かにぱんと申します。
最近学校でエニアグラムを取り上げられて(それ以前にも興味があり、個人で診断などしていたのですが)その時診断したところ私は自分はタイプ4でした。
それからエニアグラムにとても興味が湧き調べていると、こちらの篠田さんのタイプ別の考察へ辿り着きました。とても面白くここ数日ずっと読んでいます(笑)
タイプ4の考察を読んでもやはり私はタイプ4だろう、と思っています。そこでこちらの記事を拝見して、あれ?私って本当にタイプ4なのかしら…?と思ったのでコメントしています。
私自身5歳の頃、母が妹の出産の為に田舎に帰ってしまい祖母と父と暮らしていた時期がありました。私には弟もいるのですが、まだ幼稚園へ通っていなかった為母と一緒に田舎へ行っていました。その時のことがずっと心のどこかで引っかかっていて、何だか弟や妹に対する態度が私に対するものよりも愛に溢れているような気がしてしまい、それが現在まで続いています。ただ単に私が嫉妬深くて勘違いしやすい性格なだけかもしれませんが(笑)何度も両親が私の実の親ではなかったらこんなに辛くないのにと思っていました。
そして自然が大好きです! 空とか星とか山とか…田舎へは年に2回ほど帰るのですが、それが毎度毎度待ち遠しくて堪らないほどに!
そんな理由もあってか自分はタイプ4だろうな!と篠田さんの考察を読んで勝手にそう考えていました(笑)
私は中学の頃から吹奏楽をしていて音楽が好きだし、本も大好きで自分で小説を書いたりすることもあってか、タイプ4だと思い込んでいるのではないかな…とこちらの記事を拝見して勝手に焦ってしまいました(笑)
周囲にも結構自己診断してみてタイプ4だった!という友人が多くて、(吹奏楽部繋がりだからかもしれませんが)「えー!あなた本当にタイプ4?」などと思ってしまいます。
と、勝手に長々と話をしてしまってすみません。
エニアグラムの考察とこちらの記事を拝見して、何か伝えなければ!と思いこんな脈絡のないコメントをしたこと申し訳なく思います。
もし次に篠田さんの無料診断の機会がありましたら是非診断して頂きたいなぁと思いました!
タイプ5の考察も楽しみにしております。
コメントありがとうございます。
私も中学の頃、吹奏楽部でチューバを吹いていました。小学生の長女もマーチング部でチューバを吹いていたりして、結構珍しい親子かもしれません(笑)。
さて、記事本文中にも書きましたが、やはり自分のことをタイプ4だと誤解している人が多いのが現状です。
1つヒントというか、タイプを探るキッカケとして、
>何度も両親が私の実の親ではなかったらこんなに辛くないのにと思っていました。
この文章について、なぜそう思うのかを深く考えてみるといいかもしれません。
残念ながらタイプ診断については現在受け付けておらず、しばらくしたら再開しますが有料になります。春先にはサイト上で案内する予定です。