【経済】中電、浜岡原発4号機の安全審査を申請中部電力は14日、浜岡原発4号機(静岡県御前崎市)の再稼働に向け、原子力規制委員会に安全審査を申請した。浜岡を襲う最大の津波の高さを海抜21・1メートルと想定するなど申請書の内容を公表。今後は国が想定する南海トラフ巨大地震への備えが十分かなどが審査される。東日本大震災後に政府の異例の要請を受けて停止してから2年9カ月が経過しており、津波などの安全対策工事を終えた2015年10月以降の再稼働を目指す。 阪口正敏副社長が東京都港区の原子力規制庁を訪れ、「新しい基準に基づく申請書類が整った。これからしっかり審査対応をするのでお願いします」と述べ、山形浩史安全規制管理官に申請書を提出した。 申請では最大の津波や地震の想定を公表したが、既に発表した対策工事の範囲内に収まるとして、工事内容はほぼ変更がない。津波の高さは建設中の防潮堤の22メートルを下回るとした。地震の揺れは、敷地内の揺れが増幅しやすい地点では最大2000ガル(ガルは加速度の単位)に達するとして、これまで国に報告していた800ガルから引き上げた。工事は最大2000ガルを想定して進めている。 規制委の安全審査は、13年7月に施行された原発の新規制基準に基づき、炉心溶融(メルトダウン)をはじめとした過酷事故や地震、津波などへの対策が適切かを判断する。中電を含め8電力会社が17基を申請しており、春ごろには審査を終える原発が出そうな情勢だ。 中電は海抜22メートルの防潮堤建設、過酷事故の際に放射性物質を減らして排気する設備の設置など、3千億円規模の安全対策工事を実施中。4号機は審査が認可されても、15年9月末完了予定の工事を終えた上で、地元自治体の同意がなければ再稼働できない。 浜岡原発をめぐっては11年5月、当時の菅直人首相から地震の危険性などを理由に停止要請を受け、中電が受け入れた。3号機は14年度中の早い時期に審査申請する方針。5号機は原子炉に海水が流入した影響の調査が続いており、申請のめどは立っていない。1、2号機は廃炉作業中。 ◆中電社長「真摯に対応し最善尽くす」 中部電力の水野明久社長は14日、浜岡原発4号機の安全審査を申請後、「原子力規制委員会による審査に真摯(しんし)に対応し、新規制基準に適合しているとの確認をいただけるよう最善の努力を尽くす。今後も浜岡原発の安全性、信頼性の向上に努め、理解を得られるよう全力で取り組む」との談話を出した。 (中日新聞) PR情報
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