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ベルギーで子どもの安楽死認める法律
2月14日 6時33分

ベルギーで子どもの安楽死認める法律
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末期がんなど治る見込みのない終末期の患者に対して、安楽死が合法化されているベルギーで、子どもの患者にも安楽死を認める法律が成立し、議論を呼んでいます。

ベルギー議会下院は、13日、これまで18歳以上の患者に安楽死を認めてきた法律を改正して安楽死の対象を18歳未満にも広げる法案を賛成多数で可決し、法律が成立しました。
法律では、末期がんなど終末期の病状がある子どもの患者に対しても、耐え難い肉体的な苦痛が続き、十分な判断能力があることなどを条件に、両親の合意と医師団の承認のもとで安楽死を認めています。子どもの安楽死を巡っては、2001年に世界で初めて安楽死が合法化されたオランダで12歳以上の患者に認められましたが、年齢制限がないのは今回のベルギーの法律が世界で初めてだということです。
この法律について、ベルギーでは医療関係者などが子どもにも安楽死を選ぶ権利を認めるべきだとして推進し、地元紙の世論調査でも半数以上が賛成していました。
その一方で、宗教関係者などが倫理に反するとして強く反対してきたほか、医療関係者の中からも子どもの判断能力を測る基準があいまいだなどとして批判的な意見が出ており、議論を呼んできました。ベルギーでは2002年に安楽死が合法化されて以来、安楽死を選ぶ患者が増えており、おととしは1432件と前の年に比べて25%増えて、これまでで最も多くなっています。

法律に反対する抗議デモも

ベルギーで安楽死を認める対象を子どもにも広げる法律を巡っては、国内でも抗議の声が上がっています。
このうち、11日には雨の中、首都ブリュッセルの広場に子どもたちを含む大勢の人が集まり、「殺さずに治療を続けるべきだ」とか「さらなる議論が必要だ」などと書かれたプラカードや横断幕を持って、法律に反対するデモを行いました。
デモを行った男性は「例えば6歳の子どもは死の概念すら持っておらず、子どもが自分の死を決断するという考えは間違っている」と話していました。
また、ベルギー国内の医療関係者からも抗議の声が上がっていて、議会に対して小児科医およそ160人が公開の書簡を送り、法律の制定を急がないよう求めました。ベルギーの国立病院の小児科医は「さまざまな難病の子どもたちへと法律の適用が拡大解釈されていくだろう。私たちの社会はどこへ向かっていくのだろうか」と強い懸念を示しました。

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