ソチ・オリンピックの開催に伴い、ロシアでは「テロ対策」と称し、チェチェン人等の少数派への弾圧が激化している。
ウクライナとモルドヴァに挟まれた独立国・沿ドニエストルの軍用空港からは、しばしばチェチェンに向けた輸送機が飛び立つ姿が見られる。
「公式には」この空港は沿ドニエストルの「独立」戦争時の戦闘等のため破損が激しく、使用されていない事になっている。
この国は独立時、独立を阻止しようとするモルドヴァとの対抗上、ロシアのプーチンに「支援」を要請した。
しかし「独立を達成した」現在でも、ロシア第14軍は、この地に「居座り続け」、事実上、この「独立国」はロシア=プーチンの「制圧下」にある。
旧ソ連時代から軍事産業の集積する沿ドニエストルはロシア(ソ連)の兵器庫と呼ばれ、現在でもロシア軍の兵器の重要な供給地帯の1つとなっている。
この地からチェチェンに向けて飛び立つ輸送機の積荷は、ロシアン・マフィアとロシア第14軍=プーチンが、チェチェンの反ロシア勢力・独立軍に「売りさばく」兵器である。
プーチンが、「チェチェンのテロリスト」と呼び、「テロとの戦い」を唱導する、そのチェチェンの「テロリスト」の持つ兵器は、この輸送機を使いプーチンとロシアン・マフィアの手によって「供給されている」。
ロシア軍VSチェチェン独立軍。
この繰り返されてきた過酷な戦争で使用されるロシア軍の兵器は、ロシアと沿ドニエストルの軍事産業によって製造され、プーチンによって供給されている。ロシア軍と戦闘を繰り返すチェチェン独立軍の兵器も、ロシアと沿ドニエストルの軍事産業によって製造され、プーチンによって供給されている。
戦争が拡大し継続すればする程、ロシアと沿ドニエストルの軍事産業、兵器密売人ロシアン・マフィアとプーチンのフトコロに「札束」が転がり込む。
反プーチン派のチェチェン独立軍が、プーチンから「兵器の密売を受ける」資金は、プーチン直系の世界最大のガス会社=ロシアのガスブロム社の銀行ガスブロム・バンクが融資している。資金融資の担保となっているのは、チェチェンの地下資源=原油と天然ガスである。
戦争が続けば続く程、チェチェンの市民の生活のために使用されるべき地下資源が、兵器に姿を変え「浪費され、消えてゆく」。
ロシアが絶対に、チェチェンの独立を許さない理由は、チェチェンの地下資源を奪う事にある。
そのためには、「戦争が必要」とされている。
そして独立推進派を暴力で弾圧する必要が「ある」。
そして「オリンピックを安全に、推進するため」という名目で、ロシア政府に逆らう独立推進派は、「テロリスト」と呼ばれ、日常的な監視と暴力による弾圧が繰り返されている。
日本には自民党政権と対立する民主党、社民党等々といった政党が存在する。日本で東京オリンピックが開催される場合、「オリンピックを安全に、推進するため」として日本政府は自衛隊を投入し、民主党、社民党の政治活動を禁止し、街頭でのビラ配りを禁止し、ビラを配布した人間を逮捕し刑務所に入れることはない。日本に在住する外国人=アメリカ人、フランス人、中国人、韓国人を日常的に監視し、政府に批判的な発言を行った外国人を逮捕し留置所に幽閉する事はない。
ロシアではロシア軍が投入され、「それが行われている」。
ソチ・オリンピックの「お祭り騒ぎ」の影で、理由も無く殺害され負傷させられ、幽閉されている人間達がロシアには多数いる。
耳を傾けなければならないのは、オリンピック会場での金メダル受賞者への賞賛のカン高いファンファーレと拍手の音ではなく、オリンピックの影で、殺害され負傷し、幽閉されている者達の悲鳴である。