昨年12月に成立した特定秘密保護法は弁護権を侵害しているとして、静岡市葵区の藤森克美弁護士(69)が13日、国を相手取り、同法の違憲無効の確認と施行の差し止めを求める訴えを静岡地裁に起こした。

 訴状によると、同法はテロやスパイ活動の防止を口実にあらゆる情報を秘密にできると指摘。秘密法違反の罪に問われた被告のために弁護士が特定秘密に指定された情報を調査しようとする場合、特定秘密の取得行為として罰せられる可能性があるなどとし、「弁護士の弁護権が侵害されるなど違憲無効」と主張している。藤森弁護士は13日午前の記者会見で、「特定秘密保護法の違憲確認訴訟は全国初。この訴訟をきっかけに、悪法の施行を食い止める訴訟を全国の裁判所でおこしてほしい」と話した。

 法務省訟務企画課は取材に、「コメントできない」と話している。