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【政治】

首相の憲法解釈変更発言 自民内からも批判 「三権分立崩す」

 安倍晋三首相が集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更を、歴代内閣による議論の積み重ねを覆して自ら進める考えを国会答弁で示したのに対し、十三日の自民党総務会で「三権分立を根底から崩す」などと批判が相次いだ。

 出席者によると総務会では、まず村上誠一郎元行革担当相が「首相の発言は、選挙で勝てば憲法を拡大解釈できると理解できる。そのときどきの政権が解釈を変更できることになるのは問題がある」と批判。その上で「慎重の上にも慎重を期すべきだ」と主張した。村上氏の発言は、政府が意のままに憲法解釈を変えれば、国会が国権の最高機関としての立場から政府をチェックする三権分立の仕組みが崩れると指摘したもの。

 村上氏の発言を受け、野田毅党税調会長が「大事な話で、正面から受け止めるべきだ。内閣法制局と首相の役割を冷静に考えて、答弁は慎重にすべきだ」と指摘。溝手顕正参院議員会長も「いい意見だ」と村上氏に同調した。船田元・党憲法改正推進本部長は「解釈変更で対応できるのなら、私の仕事はなくなってしまう」と述べた。

 野田聖子総務会長は総務会後の記者会見で、村上氏らの発言を官邸側に伝える考えを示した。

 総務会は党大会、両院議員総会に次ぐ党の意思決定機関。二十五人の総務が法案などを審査する。特定秘密保護法は了承前にわずかに異論が出ただけだった。

 集団的自衛権の行使容認は政府の有識者懇談会が議論中で、見直し案もまとまっていないのに批判が続出するのは異例。

◆首相の答弁要旨 

 国際情勢が大きく変わる中で(集団的自衛権の行使は許されないとする憲法解釈を)もう一度よく考える必要がある。今までの積み上げのままで行くなら、そもそも有識者会議をつくる必要はないんだから。ここでしっかり議論していこうということだ。

 先程来、法制局長官の答弁を(質問者が)求めているが、最高の責任者は私だ。私は責任者であって、政府の答弁にも私が責任を持って、その上において、私たちは選挙で国民から審判を受けるんですよ。審判を受けるのは法制局長官ではない、私だ。

 だから、私は今こうやって答弁をしている。そういう考え方の中で有識者会議をつくったわけで、最終的な政府の見解はまだ出していない。私たちはこのように考えて有識者会議をつくった。

 

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