からだ・こころナビ
2011.01.11
肉腫の外科センター開設へ
2年半後めど、東京に
難治性のがん「肉腫(サルコーマ)」の手術を専門に手掛ける外科治療センターが、2年半後をめどに東京都内に開設されることになった。肉腫は患者の数が比較的少なく、専門医も不足。研究の遅れから標準的な治療法も確立していないため"忘れられたがん"とも呼ばれる。満足のいく治療を受けられなかった患者にとって、念願だった治療拠点が実現する。
計画を進めているのは、全国17病院計29人の医師、薬剤師が肉腫の治療や研究に共同で取り組むために組織した連携グループ「キュアサルコーマセンター」と、公益財団法人結核予防会新山手病院(東京都東村山市)。
同グループ代表理事の高橋克仁・大阪府立成人病センター部長と江里口正純・新山手病院院長によると、外科治療センターは新山手病院の一角に15床の病棟を整備。今後、医療スタッフの確保など細部を詰め、2013年のオープンを目指す。
同センターで行う手術は胸部、腹部、骨盤部の肉腫が対象。地元の病院などで肉腫の診断や再発・転移の診断を受けた場合、患者はまず大阪府立成人病センター内科の肉腫外来を受診。高橋部長らが検討し、手術が必要と判断されれば外科治療センターに入院する。一方、小児科、整形外科領域の肉腫は、従来通り専門医がいる各地の連携病院で治療する。
肉腫はがん全体の2%程度で、年間の新規患者は約1万人。98%を占める「癌腫」が臓器などの上皮組織から発生するのに対し、肉腫は上皮組織以外の骨や筋肉、血管、脂肪組織などに発生し、高頻度に再発や転移を起こす。抗がん剤や放射線治療が効きにくい一方、適切な手術でかなりの延命が図れるという。
高橋部長は「将来は外科以外の専門家も一堂に集め、300~500床を備えた診断治療研究センターを目指したい。今回がその先駆けになれば」と話している。
計画を進めているのは、全国17病院計29人の医師、薬剤師が肉腫の治療や研究に共同で取り組むために組織した連携グループ「キュアサルコーマセンター」と、公益財団法人結核予防会新山手病院(東京都東村山市)。
同グループ代表理事の高橋克仁・大阪府立成人病センター部長と江里口正純・新山手病院院長によると、外科治療センターは新山手病院の一角に15床の病棟を整備。今後、医療スタッフの確保など細部を詰め、2013年のオープンを目指す。
同センターで行う手術は胸部、腹部、骨盤部の肉腫が対象。地元の病院などで肉腫の診断や再発・転移の診断を受けた場合、患者はまず大阪府立成人病センター内科の肉腫外来を受診。高橋部長らが検討し、手術が必要と判断されれば外科治療センターに入院する。一方、小児科、整形外科領域の肉腫は、従来通り専門医がいる各地の連携病院で治療する。
肉腫はがん全体の2%程度で、年間の新規患者は約1万人。98%を占める「癌腫」が臓器などの上皮組織から発生するのに対し、肉腫は上皮組織以外の骨や筋肉、血管、脂肪組織などに発生し、高頻度に再発や転移を起こす。抗がん剤や放射線治療が効きにくい一方、適切な手術でかなりの延命が図れるという。
高橋部長は「将来は外科以外の専門家も一堂に集め、300~500床を備えた診断治療研究センターを目指したい。今回がその先駆けになれば」と話している。