Updated: Tokyo  2014/02/14 01:55  |  New York  2014/02/13 11:55  |  London  2014/02/13 16:55
 

消費税引き上げは日本にマイナスも-IMF理事から懸念の声

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  8月5日(ブルームバーグ):消費税率を2015年までに2倍に引き上げる日本の計画に対し、国際通貨基金(IMF)の一部理事から懸念の声が出ている。5日公表された報告書が示した。

理事会の見解をまとめた声明によると、IMF理事らは「総じて」日本の消費税引き上げ計画を支持しているものの、「数人」が成長に悪影響を及ぼす可能性について懸念を示した。IMFが「数人」と表現する場合、2-4人を意味する。日本経済の年次審査に基づくスタッフリポートによればIMFは、公的債務を中期的に圧縮するため消費税率を段階的に「少なくとも15%」まで引き上げることを日本に促している。

安倍晋三首相は向こう2カ月以内に、現行5%の消費税を来年4月に8%に引き上げるかどうかを最終決定する。引き上げれば景気回復を頓挫させるリスクがある。一方で、引き上げを延期すれば債券市場を動揺させる恐れがあるとHBSCホールディングスが5日指摘した。

IMFは日本の公的債務が2014年に国内総生産(GDP)の248%近くに達すると予想している。リポートでは「信頼できる中期的財政計画」を速やかに採用するとともに、債務の対GDP比率を中期的に引き下げる「成長を重視した歳入・歳出措置」を講じることが必要だと指摘した。

消費税増税法によれば、税率は来年4月に8%、15年10月に10%へと引き上げられることになっている。

経済改革の推進求める

IMFは財政出動と異次元緩和という安倍首相の政策の2本の矢が内需拡大に寄与したとの見解を示し、日本の実質GDP成長率が今年2%、来年1.2%となると予想している。

日本審査を率いたIMFのジェリー・シフ氏は5日の電話会議で、安倍首相の経済政策、アベノミクスが「不完全なバージョンであれば、現在の強い成長を維持できる公算は小さい」とし、「そのような場合は財政・金融による景気刺激への日本の過度の依存が世界の他の地域に重大な負担をもたらす恐れもある」と分析した。

同氏は日本の消費税率引き上げ計画をIMFが支持しているとも述べ、「日本のアプローチは、財政調整を段階的に行う意向と政府の負債圧縮への取り組みに現時点で信頼性を持たせることの両方のバランスを適切に取っていると考える」と評価した。

IMFはまた、計画されている2回の消費税引き上げの影響を除外した場合、2%の物価上昇は17年まで達成されないとも予想した。

IMFは日本に経済改革推進を呼び掛け、「成長への相乗効果を生むためには農業や国内サービスの分野での規制緩和、リスクキャピタルに関する制限の排除、労働市場の過度の二重性の是正、税制改革による投資促進、労働力不足が見られる分野での移民受け入れへの一段の制限緩和などの措置が必要だ」と指摘。

円相場については、最近の下落後「幾分過小評価されている」もようだとする一方で、「改革パッケージが全面的に実践される限り、問題とは見なされない」と結論付けている。

記事に関する記者への問い合わせ先:東証 James Mayger jmayger@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net

更新日時: 2013/08/05 23:54 JST

 
 
 
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