歴史問題:世界記憶遺産巡り非難 慰安婦資料登録の動きも

毎日新聞 2014年02月12日 20時39分(最終更新 02月12日 22時58分)

 政府系シンクタンク研究員、陳向陽(ちんこうよう)氏による論文は、日本について「国力は弱くなく、経済力も世界第3位であり、容易な敵と見なしてはならない」と指摘。しかし、少子高齢化や自然災害の多さなどの弱点を分析し、中国は長期的な「新持久戦」で臨むべきだとした。

 具体策として、第二次大戦後の国際秩序の維持を求めて国際社会にメッセージを発信する「対外世論戦」の強化や、周辺国との協力を深める一方で、日米関係の不一致点を見いだし、日米の連携を阻止することなどを列挙。さらに、日本の野党や親中派を通じ「民をもって官を制する」ことなどを挙げた。

 中国は今年を「甲午戦争(日清戦争)から120年」と位置づけて歴史問題を重視するとともに、第二次世界大戦の戦勝国としての立場を国際的に宣伝し、日本をけん制している。

 ◇世界記憶遺産

 世界的に重要な文献、音楽や絵画などを保護するため、ユネスコが1992年に創設した。遺産の適切な保存や、電子化などによる利用拡大などが事業内容。国や自治体などから推薦を受け、2年ごとに開かれる国際諮問委員会の審査を経て登録される。日本から昨年は藤原道長の自筆日記「御堂関白記」など国宝2点が登録された。

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