2014年2月11日21時35分
「建国記念の日」の11日、この日を祝う人たちと反対する人たちが、それぞれの立場で集会やパレードを行った。安倍晋三首相がこの日にあわせて「愛国心」を訴えるメッセージを現職首相として初めて発表する中、憲法改正や愛国心をめぐり賛否が交錯した。
旧総評系の労働組合などでつくる市民団体「フォーラム平和・人権・環境」は東京都文京区の全水道会館で集会を開き、約250人が参加した。
作家の保阪正康さん(74)が講演し、「首相は歴史的事実に即さない発言を続け、美しいなどの形容詞を使って感性を強要している」と指摘。改憲に向けた動きについて「軍事を政治の背景にちらつかせる軍事体制を作ろうとしているが、非軍事の現行憲法を守らないといけない」と語った。高校教諭の女性(54)は「美しさや誇りといった聞こえの良い言葉で愛国心を押しつけないでほしい」と話した。
一方、神社本庁などでつくる「日本の建国を祝う会」は東京都渋谷区の明治神宮会館で式典を開き、憲法改正などを求める決議を採択。表参道周辺で実施した奉祝パレードには約5650人が集まった。
パレードを見に来た東京都杉並区の会社員小杉賢太郎さん(40)は「中国や韓国からの日本批判に萎縮しないためにも、日本人としての誇りや愛国心を持つことは必要だ」。東京都練馬区の男性(85)は「愛国心を持つことは重要だが、他国との緊張を高めないような方法を探ってほしい」と語った。(渡辺洋介)
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朝日新聞社会部
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