♯番外〈なっちゃんのひとりビエンナーレ〉
更新日時 2013年11月05日
ビエンナーレが終わってから半月経った11月の始め、『秋、酒蔵にて』の
会場である旧廣盛酒造に向かう途中、またいつも場所で彼女に会いました。
「このままだと納得いかないので。もう少しこの絵と向き合ってみます」
ビエンナーレのクロージングイベントがもうすぐ始まろうとしていた路上で
聞いた上原菜摘さんの言葉です。つむじにずらっと勢ぞろいした作家さんが
笑顔で感謝を伝える中、たくさんの思いが涙になって溢れ言葉に出来なかった
彼女の気持ちは、あの日が終わってからも静かに燃えていたのでしょう。
高崎市の手彫り印鑑店『述章堂』五代目として、平日は仕事に追われながらも
週末には中之条に通う日々が続いていました。
「今、ちょうどサインを入れているところなんです。これからトップコートを
塗って…」生き生きとおしゃべりしながら右隅にサインを描く上原さん。
中之条町の代表的な季節の神事、『獅子舞』の完成です。
こちらは代々神楽の『アマノウズメノミコト』。
お面を被っているのに、以前よりとても表情が豊かになったように見えます。
一番最初に描いた『嵩山(たけやま)のオオルリ』。ただ今トップコート中。
行き交う人大勢に愛された上原さん、ようやく彼女のビエンナーレも
クロージングを迎えそうです。
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