♯13〈道の駅霊山たけやま〉
更新日時 2013年10月10日
道の駅・霊山たけやまのたけやま館にあるギャラリー。
まず、目に飛び込んでくるのは3枚組の大きな絵。よく見ると新聞紙で
描かれています。すぐ後ろに見える嵩山(タケヤマ)です。
そしてたくさんの人たちが見えてきます。
ビエンナーレ実行委員でもある星野博美さんの作品、
『ここからも あの山がみえる』です。町のどこから見た風景なのでしょう?
「これは私が働いている農家の畑から見える風景です。
中之条町の西方ある吾嬬山(カヅマヤマ)のふもとから、
嵩山がよく見えるんですよ」
星野さんは第1回目の中之条ビエンナーレから毎回作品を展示しています。
そして2009年から中之条町に移住して今年で5年目です。
移住して1年目は町役場で働いていましたが、色々な角度からこの町を
見てみたいと思い、今は農家のお手伝いをしています。
「視覚的なこともそうですが、心の景色も変わったというか
視野が広がったように思いますね」
すっかり地域の方に溶け込んでいらっしゃいます。
絵はこの3枚組の他にも計8枚展示されていて、景色と共に人が描かれています。
モデルは?とお聞きしたところ、夏に働いている農家さんと
冬に働いている農家さん、それぞれの時間を作品に描きましたとのこと。
きっと見る人にはすぐに季節感がわかるはずです。
手前の部屋には昨年、つむじで開いた『年輪をかくワークショップ』で
参加者の方々がかいたもの含め、新たな作品に仕立て展示しました。
「みなさんに自分の年齢の数だけ年輪をかいてもらったんですけど、
すごくいい年輪が多かった」ということで今回一緒に展示することにしました。
町を支えるご年配の方々の「いい年輪」と、新聞紙で描かれた
イキイキと働く人々、ともにこの土地での関わりのなか生まれた作品です。
中之条町のいいところをたずねると、夜に星が近くに感じられたり、
虹がたくさん見られたりするところ、またイキイキとした大人が
多いですねと、トレードマークのにっこり笑顔で答えてくれました。
中之条は来るものを拒まない、また去る者も追わない
旅人に心地よい空気が流れている土地のような気がします
昔からひとが行き交う土地だったからではないかと思います
山を越え谷を越え、あなたもおいでませ、なかのじょうビエンナーレへ~
星野博美