♯12〈伊参スタジオ〉
更新日時 2013年10月08日
7月初めの、まだ静かな伊参スタジオでおふたりに会いました。
どうぞ、入って見てくださいと言われ教室に入ってびっくり。
制作途中の教室の壁は、四角、しかく、しかく…四角だらけです。
しかも正方形もあったり長方形も、台形も?!
「私たち、ピクセルを使って作品を創っているんです」
宮﨑大樹さん、浅尾怜子さんのアート&デザインユニット・
couch(カウチ)。
今回の作品のタイトルはシンプルに『PIXEL WORKS』。
この場所なら、以前からやりたいと思っていたことをようやく実現できると
いうことで、楽しそうに壁に向かわれていました。
ピクセルとは、画面をデジタル処理をするとき、縦横に細分化した
マス目のこと。今回はモザイク画を制作しています。
近づいたり、横に立ったりして見ていると「こちらから見てください」
言われたところに立ってみて、またびっくり。まるで見え方が違います。
いろいろな四角が、すべて正方形にみえます。急に教室の風景が
スクリーンに映し出されたようです。
「今回は身長が160cmくらいの人の目で見てちょうどいいように
設計されてるんですよ。僕の背だとちょっと大きいかも。
浅尾ならちょうどいいかもしれませんね」
設計図も見せていただきましたが、当たり前ですがものすごく細かくて
それ自体がまるで作品のようでした。
そして、7月の末にまたおじゃましてみました。おふたりはいませんでしたが、
床には何十個もの絵具のバケツ、そしてモザイク画にはピクセル1つひとつに
微妙な色合いが付けられていました。
さらにビエンナーレが始まってから宮﨑さんと浅尾さんに
アドバイスをいただいて、また教えていただいた場所に立ってみました。
「教室の窓側奥より、全体をぼんやりと眺めてみてください」
この不思議な感覚、その場に立ってみないとわからないかもしれません。