民話「孝行猿」が伝わる伊那市長谷から親子の絆を見つめる機会を発信しようと、同市教育委員会は、親への感謝や思い出をつづった手紙や作文を全国から募る。旧長谷村が2003年まで5年間続けていた「親孝行の讃歌」を刷新して復活させる。29日、実行委員会が発足した。
「孝行猿」は、猟師に撃たれていろりにつるされた親猿の体を3匹の子猿が温めて生き返らせようとした―との粗筋。旧長谷村は大人を対象に手紙などを募集し、5年間で計約4千点の応募があった。
東日本大震災で家族の絆が見直されたことなどから、あらためて親孝行を呼び掛けようと再開を決めた。小中学生の部を新設。入賞作品集は学校の副読本として活用する予定だ。長谷公民館で開いた実行委初会合で、委員長の久保村清一・市教育長は「原点に立ち返り、人の絆を見つめ直す時に来ている」と述べた。
募集期間は7月20日~10月31日。応募用紙かA4判の紙、原稿用紙に400字以内で書く。市ふるさと大使の放送プロデューサー西村与志木さんらが審査。一般の部、小中学生の部合わせて88点の入賞作品を選び、来年2月の発表を目指す。入賞者に市内で使える宿泊券や特産品を贈る。
送り先は〒396―0402伊那市長谷溝口1188の1長谷公民館内親孝行の讃歌事務局(電話0265・98・2009)。
(提供:信濃毎日新聞)