「真犯人の身代わり」=片山被告が冒頭陳述—PC遠隔操作の初公判・東京地裁

 パソコン(PC)の遠隔操作ウイルス事件で、威力業務妨害などの罪に問われた元IT関連会社社員片山祐輔被告(31)の初公判は、12日午後も東京地裁(大野勝則裁判長)で続いた。片山被告は自ら冒頭陳述を行い、「PCやスマートフォンを遠隔操作され、真犯人の身代わりにされた」と訴えた。

 被告本人が冒頭陳述を行うのは異例。職場のPCでウイルスを開発したとする検察側主張に対しては、「私のPCの画面は隣の席の人からよく見えた。(不審な行動をすれば)絶対に誰かに見とがめられた」と反論した。

 神奈川県藤沢市の江の島の猫にウイルス入りの記憶媒体を取り付けたとの指摘には、「5〜6匹の猫の写真を撮ったが、(記憶媒体が貼り付けられた)首輪を付けた事実はない」と述べた。

 弁護人も冒頭陳述を行い、「検察側の証拠は極めて脆弱(ぜいじゃく)だ」と指摘した。

 証拠調べでは、江の島の防犯ビデオ映像が法廷で再生された。約25分間の映像はカラーで音は無く、片山被告が猫に触れたり、写真を撮ったりしているような様子が写っていたが、首輪を付ける場面はなかった。 

[時事通信社]

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