任天堂を退職しました。

2010年4月に入社した任天堂を1月末をもって退職しました。

今までの振り返りとこれからについて、自分の中での整理もかねて、流行の退職ブログぽく書きます。色々書いてたらくそ長くなりました。

  • 4年前の決断

ちょっと昔に遡りますが、4年前、僕は人生の中でも大きな決断を強いられていました。「任天堂に入社するか?渋谷にある会社に入社するか?」です。色々な人にも相談をしましたが、7対3くらいで任天堂が勝っていたような気がします。そして、最終的には任天堂に決めました。決め手となった理由は、「自分の好きなことを仕事にしよう」と考えたからです。社会人になってから知り合った人は意外と知らなかったりするのですが、僕はテレビに出てマリカー64で優勝しちゃったり、FF13を2日間徹夜でやっちゃったりするくらいのゲーマーです。大学受験のときも息抜きにゲーセンに通い、アメリカ留学してたときも現地でPSPとDSを買って遊んでました。
そんな大好きなゲームを仕事にしよう。正直、ネット広告なんて別に好きじゃない。

  • 任天堂で何をしたかったか

そんな感じで入社を決めた任天堂で、自分は何をしたいと考えたいたか、あらためて思い出してみました。就活を通して、自己分析(笑)して自分の考えを深堀した結果、「こんなにおもしろいゲームをやらない意味がわからない。世界中に普及させたい。」とか面接で言ってた気がします。学生によくある、特に何もやったことないくせに、新規事業立ち上げとか海外進出に憧れちゃうやつです。(それはそれで、何も野心を持たないことよりかは良いと思いますが。)

  • 人生を方向付けた配属

留学していたこともあって、海外に関わりたいという思いはあったので、海外事業部を希望していました。しかし、希望は通らず、「ネットワーク事業部」に配属になりました。これは今思うと本当に幸運でした。自分の人生を変えるレベルだったと思っています。なぜなら、その部署に入る事によって、自分の興味関心がITの分野に変わっていったからです。また、任天堂の中でも比較的新しい部署で、独特のカルチャー(ややベンチャー志向ながらも緩い)の中で自由にやらせてもらえたことにも感謝しています。

  • 主な仕事内容

ネットワーク事業部でどんな仕事をしていたかというと、主にオンラインショップ(ニンテンドーeショップ)の運営をしていました。周りの友達にはなぜかゲームをする人が全くいないので、簡単に説明すると、「最近のゲーム機はインターネットにつながるようになっていて、オンライン上にお店があります。そこで、昔のファミコンとかのゲームを500円くらいで売ってたり、最新のゲームのダウンロード版を売ってたりします。そのお店で売るものや売り方、店構えを考えている中の人です。」実務として何をしていたかというと、日々のオペレーションからデータ分析、施策の提案まで色々と”広く””浅く”やってました。

  • 臨時プロジェクトでのWebディレクターの経験

そんな中、2年目のときに、大きなチャンスをいただきました。「ニンテンドー3DS 3D写真コンテスト」というWebサービスのディレクターを任せてもらいました。これは、ユーザー参加型の写真投稿(共有)サービスで、任天堂としては初めてのWebサービスでした。これを技術担当の同期と2人で一から考えて開発してリリースして運営まで行いました。開発会社との交渉、サービス設計、プロモーション、運営と本当に全て行いました(もちろん色んな人の協力を得て)。わからないことだらけでしたが、自分の責任で決断をして、モノを作り上げるという経験は素晴らしいものでした。

  • ふと感じ始めた違和感

そんなプロジェクトも終わり、またショップの運営に戻って淡々と業務をこなしていましたが、どこか日々にワクワク感がなくなっていくのを感じました。これは自分にも原因があるのはわかっていますが、いかにポジティブに考えようとしても、どうも心の奥底では何かが引っかかる。暮らしには全く不自由ないけど、長期的に人生を考えたとき、「このままでいいんかな?」という漠然とした不安が出てきました。社会人3年目になるとみんな考えるやつです。社3病です。

  • 退職の理由

辞める理由については、色々あるので割愛します。簡潔にいうと、「やりたいことをやるため、なりたい自分になるためには、新しい環境でチャレンジするほうがよい」と判断したからです。(※業績は関係ないです。)

  • 退職に際して感じたこと

自分は典型的なレールに乗っかってきた人間だと思っています。自慢じゃないですが、高校受験頑張って良い高校入って、大学受験頑張って良い大学入って、留学とかしちゃって(親に感謝です)、優良企業とよばれる大企業に就職しました。端から見るとうらやましがられたりします。確かに今までの経験は自分の中で成功体験として今の自分にプラスにつながってるところがあります。しかし、自分の中では、どこかコンプレックスがあります。みんなが思っているほど、俺すごくないよみたいな。

それは、具体的なスキルがないというのもありますが、自分が外野から偉そうなことをいってる口だけの人間になっていたからだと思っています。社外では、Rの方々や渋谷に勤めている方々などわりと独立志向が高い人たちと付き合っていて、それなりの話をしてきましたが、結局自分って口では「起業したい」とか「ベンチャーでがっつりやりたい」とか言ってるのに、何もそこに近づいてないなということに気付きました。今までは目を背けて言い訳していましたが、そんな自分に嫌悪感をも抱くようになりました。

  • 自分を見直す機会

就職するまでは、だいたい3年区切りで自分を見直す機会が来ます。小中高大社会人という流れで、強制的に環境を変える機会が来ます。ただ、社会人になってからは強制的なイベントはありません。自分で機会を作るしかありません。3年くらいのスパンで自分が本当に正しい方向に進んでいるか確認するのが大事な事だと、今回の退職で学びました。

  • これからについて

そこまで色々と書いて結局これからどうするのよというところなんですが、進路は決まっていません。念願のニートです。人生で1回はニートやってみたいと思っていたんです。っていう冗談はおいておいて、時間があるので興味のあったことを勉強したりしつつ、東京で転職活動します。おもしろい会社があったらぜひ紹介お願いします。あと、起業という選択肢で何ができるかわかりませんが、検討中です。

あらためて自分はどんなビジネスマンになりたいのか、どんなスキルを武器にしたいのかを掘り下げてみました(就活生みたい…。)。3D写真コンテストの経験から、やはりITの分野で、世の中にインパクトを与えるような新しいWebサービスやアプリの開発に携わりたいという思いがあります(なんかこれも就活生ぽいな…)。どういうふうに携わるかについては、技術の基礎は当然理解した上で、サービスの設計からマネタイズを含むマーケティングを得意にできればと考えています。多少は素地があるので、そこから自信を持てるスキルにまで磨いて行きたいです。そして、そういうスキルを得るためには本を読んで勉強することよりもやっぱり実践が必要だと思うので、どこかのベンチャーで厳しい環境に入ってもまれるのが一番手っ取り早いでしょう。いや、いっそ勢いで起業してとりあえず何か始めてみるほうがいいのかな。

ということで、4年住んだ京都を離れ、東京に戻って色々動いていきますので、みなさん引き続きよろしくお願いいたします。

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